第2話ミニと広美と…
「タニさん…またマフラー作ったんすか?」
「まぁな。とりあえず等長マニホールドを中古で買って、リアピースはユーノスのやつを改造したから0円。意外と安かったからお釣りが出たくらいだね。」
「ホント…いつもアタシに釣り『札』渡すからねタニさん…ありがとうございます。」
永井先輩も驚きながら喜んでるようだ。
んで…例のマフラーを眺めて目を輝かせるツナギを着た女子が約一名…
「スゴい…スゴイですよタニさん!」
「ミニ好きの有明に褒められるとはな。オレも安心したよ。」
このクルマのオーナー、有明広美。
自他ともに認めるミニフリークで、マイカーもBMWミニだ。
「広美、何してたんだ?」
「あ、吉田くんお帰り。ちょうど良かった。ラジエーター取りたいからそっち持って。」
「ほい、了解。」
数少ない同級生ということもあり、僕と広美は意外と仲が良かったりする。
いつも明るい性格だから、自然と周りも笑顔にする頼もしい存在だ。
ドラテクも少しずつ身についてて、ミニのワンメイクレースの全4戦のうち3戦が終わり、もう少しで表彰台に登れるまでになっている。
良き友でありながらライバル…といった関係だ。
「よっこいしょっと…いつ見ても変な位置にあるよなラジエーター…」
「だよね〜ホントに冷却できてるかも心配だったりする。」
「何で外したんだ?」
「ここ最近水温が上がりやすいから調べてたらラジエーターから水漏れしてたから直そうと思うわけ。新しいの買うのもきついし、そもそも理子先輩が…ね。」
「あぁ…んで、そこにマフラーも来たと。」
「これでこの子は最強になるのだ!…なんてね。」
いかん、広美の笑顔がかわいくて一瞬ドキッとした。前からこういう感じだったけども
「見た感じ大丈夫だよな…タニさん、どうですかね?」
「一度水槽に沈めないとだな。1週間くらい預かるよ。その間にマフラー交換よろしく。」
『了解です!』
僕と広美は同時に返事をした。
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