◆12月20日の青山くん。
12月20日、金曜日。
あと五日でクリスマス。とうとう片手で数えられる程度になってしまった。
「芦原。俺、どうしたらいいですかね」
「最近ちょっと余裕があったんじゃないのか?」
それとこれとは別だ。普通に話をする分には問題ないんだ。でも告白は別。なんて言って告白をすればいいのか、どうやって公園まで呼び出せばいいのか。色々と考えなきゃいけないことがある。
だが今の俺は何も考えていない。いや、考えていないんじゃない。思いつかないんだ。クラス会のあとってことは周りに大勢いる訳で、そんな中でどうやって誘い出せばいいのか。
問題は山積みである。
「……それを俺に相談されてもな」
「ちょっとくらい考えてくれよ! お前はどうやって直木に告白したんだよ!」
「……俺の場合は参考にならないぞ」
そんな気はしてたよ。それに相手は直木だしな。普通に告白しても一蹴されそうだし。
「あああ……どうしよう、どうすればいいんだ……」
「そんなに考え込まなくてもいいだろ。普通に告白すればいいだけなんだから」
「普通ってなんだよ」
「だから、普通に公園まで呼び出して告白すればいいんじゃねーの?」
簡単に言いやがって。そんな風に軽く出来たら悩んでないっつーの。
コイツじゃなくて悠季に訊けばよかった。
「……はぁ」
「事前に伝えておくとかすればいいんじゃないか? そしたら、みんながいる前で誘い出すこともないだろ」
「そうか……確かにな」
「まぁ、その時点で向こうはお前の気持ちを悟るかもしれないけどな」
確かに。
クリスマス会が終わった後に話があるからって誘い出せば、告白かもって思うかもしれないよな。大丈夫かな。その場で断られたりしないか?
不安だ。不安しかない。
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