◆12月16日の青山くん。
12月16日、月曜日。
俺はとても晴れやかな気持ちで、学校に行こうとした。
でも出来なかった。
風邪引いたから。
「……最悪」
昨日、帰ってきてから浮かれまくって風呂入った後もロクに髪を乾かさないでずっと相川たちと撮った写メを見てたから体を冷やしたんだろう。
自業自得ですね、わかります。
でもさ、しょうがなくね? 浮かれるって、そりゃあさ。好きな子と遊園地行ったんだよ。浮かれるだろ? 浮かれるよな、絶対。
「……今頃、どうしてるかな」
俺は寝転がったまま、枕元に置いていた携帯を取って昨日の写メを見る。
帰り際に、直木がこっそり撮っていた俺と相川のツーショット写真を送ってくれた。楽しそうに笑顔を浮かべてる相川と、ニヤついてる俺。
だって昨日の相川本気で可愛かったんだもん。髪形もいつもは下ろしてる髪をサイドに結ってあって、付いてたピン止めも可愛かった。それに服装も、本屋で会ったときとは全然違った。前はパーカーにジーンズってラフな感じだったのに、今回はスゴイ女の子っぽかった。いや、ラフなのも可愛かったけど。
お化け屋敷ではかなり恥ずかしい姿を見せてしまったけど、相川が楽しそうに笑ってくれたから良かったなんて思ってしまう。観覧車でも、静かな雰囲気で落ち着いた時間を過ごせて良かった。
思っていた以上に俺は相川のこと好きなんだって自覚できた。無理する必要もないんだって分かった。それが、嬉しかった。
なんか、益々好きになったかも。
「……はぁ」
会いたいな。
今、とにかく会いたくて仕方ない。会って、何でもない話して、バカみたいに笑って、また明日って別れて、そんで明日も同じように話がしたい。
会いたいな。
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