◇12月16日の相川さん。
「え? 休み?」
12月16日、月曜日。
朝登校すると、佳山君から青山くんが休みだってことを教えてもらいました。どうやら風邪を引いたらしくて、それを莉奈ちゃんが「バカな奴」と言いながら笑ってた。
大丈夫かな。昨日はあんなに元気そうだったのに。さすがにお見舞いとかは行けないよね。私が行っても迷惑だろうし、佳山君や芦原君も行かないって言ってるし。
「何、心配なの?」
「う、うん……」
「大丈夫じゃないの? どうせ、バカみたいにテンション上げすぎて疲れただけよ」
昼休み、莉奈ちゃんが呆れたように言った。それだけなら良いけど、やっぱり心配だな。
「そんなことより、はいこれ」
「?」
そう言って莉奈ちゃんは携帯の画面を私に向けた。そこに写っていたのは、私と青山くん。昨日、お昼を食べていた時のだ。みんなで撮ったヤツは私の携帯にもあるけど、これはツーショット。
それにしても、いつの間に撮られてたんだろう。全然気付かなかった。
「り、莉奈ちゃん。これ、いつ撮ったの!?」
「お昼のときよ」
「いや、そうじゃなくて……いつの間に……」
「よく撮れてるでしょう? 二人とも話に夢中で気付かないんだもん」
「そ、そそそれ……!」
「欲しい?」
莉奈ちゃんがニヤリと笑った。
もちろん欲しい。私が黙ったまま頷くと、莉奈ちゃんが満面の笑みを浮かべた。
わ、可愛い。じゃなくて! 写メ写メ!
「いいよ」
「本当に!?」
「その代り、今日の日直変わってくれない?」
「え?」
「私、早く帰って澪姉と買い物に行きたいの」
私は少し悩んで、さっきの写メを送ってもらいました。そして日誌も一緒に受け取りました。
うん、いいんだ。これで良いんだ。青山くんとの写真に比べたら、こんなの……!
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