◇12月2日の相川さん。





 12月2日、月曜日。

 いつも通り、学校に登校して友達と話をしてると青山くんが声を掛けてくれた。



「おはよう、相川」

「お、おはよう。青山くん」



 大丈夫かな。普通に返事出来てたかな。なんか、告白するって決めたせいか変に緊張しちゃって落ち着かない。なんていうか、胸の辺りに違和感があってモヤモヤしてるというか痛いような苦しいような、とにかく変な感じがする。

 25日までこんな調子が続くのかな。緊張しすぎて死んじゃうことってあるのかしら。



「どうしたの?」

「え、ああ。ゴメン、何でもない」



 急に黙った私に、友達の井塚舞ちゃんが心配そうに声を掛けてくれた。

 そういえば、舞ちゃんはクリスマスって何か他に予定があったりするのかな。実は私の知らないところで彼氏とかできてたり、しないよね? 舞ちゃん、そういうの興味ないって言ってたし。



「ま、舞ちゃん。クリスマスって、クラスの集まり以外で何か用事あったりするの?」

「え? うん、一応」

「え!!? か、家族でどっか行くとか?」

「ううん、佳山君と隣町のイルミネーション見に行こうって」

「佳山君と?」



 佳山君って、あの佳山君? あまり目立つタイプじゃないけど優しくて可愛らしい印象があるから一部女子に人気があるらしいって噂の?

 まさか二人がそんな仲だったなんて意外。いつの間に? なんで、どうしてよ?



「い、いつから付き合ってるの?」

「え? やだ、付き合ってはないよ。告白はされたけど」

「ええ!?」



 思わず大きな声が出てしまい、周りの子たちがこっちを向いてしまった。

 いけない、いけない。何でもないフリをして、なんて告白されたのかを小声で舞ちゃんに訊いた。



「普通に好きですって言われただけだよ。まぁ、言った直後に佳山君熱で倒れちゃったんだけど」



 なんとインパクトのある告白なんでしょうか。

 私もそれくらい印象に残る告白した方が良いのかな。でも、それでフラれたらカッコ悪いしな。何か良い方法はないものだろうか。

 あ、プレゼントとかどうだろう。クリスマスなんだから、何かあげても変じゃないよね。でも、男の子って何を貰ったら喜ぶのかな。お父さん以外の異性にプレゼントとかしたことないから分かんない。



「ね、舞ちゃんは佳山君にプレゼントとかあげるの?」

「それは考えてなかったかな。そっか、何かあげた方がいいのかな」

「あげるとしたら、何あげる?」

「……そうだね。本とか?」

「それは舞ちゃんが貰って喜ぶものでしょう?」

「うん。まぁ、向こうが喜びそうなものを選んで渡すと思うよ」



 相手が貰って喜ぶものか。

 青山くん、何を貰ったら嬉しいのかな。何かこうクリスマスっぽくて、貰っても困らないモノがいいかな。でもフラれたら、それ私のところに戻ってくるのかな。それとも、」プレゼントだけは貰っておいてくれるかな。

 どうしよう、何をあげればいいんだろう。




 プレゼント選びって難しいなぁ……





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