◆12月1日の青山くん。
俺は自宅の冷蔵庫に張られたカレンダーを睨み付けた。
今日から12月。あと一ヶ月で今年も終わる。だがその前に、重大なイベントが残されている。
それは、12月25日。そう、クリスマスだ。
この日はクラスのみんなで集まって、パーティーをすることになってる。
恐らく、クラス全員が参加するだろう。担任の先生も顔を出してくれるって言ってたっけ。
「……どうしようかな」
中学生最後のクリスマス。来年からはみんな、それぞれの進路に向かって進学やら何やらでバラバラになってしまう。その前に思い出を作ろうってことでのパーティーだが、俺はそんなことよりも大事なイベントを抱えていた。
俺は、この日に好きな子に告白しようと思ってる。
中一の時から好きな、相川汐里に。
「……なんて告白すれば良いんだ」
残念なことに俺は今まで告白したことがない。自慢じゃないけど告白されたことはある。
普通に好きだって言えば良いんだろうけど、その言葉を言うのが難しいんだよな。シチュエーションだって大事だろ。
とりあえずクリスマス会が終わってから相川を呼び止めて、近くの公園とかで告白……とか、どうだろうか。あそこなら人通りも少ないし、街のイルミネーションも見える。
やべぇ、最高の演出じゃないか?
でも、そんなシチュエーションでフラれたら立ち直りない気がする。受験前にフラれるとか、ヤバくないか?
クリスマスムードに釣られて告白しようとか思っちゃったけど止めた方がいいのかな。卒業式とかの方がいいかな。
でもな、クリスマスって相川の誕生日なんだよな。この前、クラスの女子たちが話してるのを聞いたから間違いじゃないはず。
一年のときも、そんな話してた気がする。
うん。やっぱりクリスマスだな。
プレゼントとか、渡してもいいのかな。
クリスマスだし、誕生日だしいいよな? おかしくないよな?
でも、なにあげたら喜ぶんだろ……
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