青葉眩しき山神さまの二葉葵

作者 ながる

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★★★ Excellent!!!

 陰と陽のように全ては一対で、幸と不幸はその見る角度で姿を変え、与えられるのは神罰なのか祝福なのか。

 男児を神に捧げてその苦難を乗り越えようとする村の、幼い姉弟。弟を庇って姉は神にささげられる事を選び取るのですが、その愛情を伴う行動が運命を動かし始めます。

 アオバと名乗った健気な少女の生きる姿を綴った物語で、彼女が得るものは悲劇なのか幸福なのか。
 長く姫神に仕える男性アタリ、少女アオバ、そして姫神。三者三様に相手を思いやり、選択をしたその結果。
 そこはかとない哀しさが根底に横たわりつつも美しい、愛のある風景の物語を見届けて欲しいです。

★★★ Excellent!!!

二人の舞いが圧倒的に美しい。
切なく、優しいお話です。
出てくる人たち皆が互いを思い合っているのがわかる優しい優しいお話。

見るひとによって姿を変えるという姫神さまも、このお話の登場人物たちを通してみるといつもとても美しく、それも彼ららしいなと思います。

★★★ Excellent!!!

 旱魃に苦しむ小さな村で、親を喪い寄り添うように生きて来た双子の姉弟は、山神さまへの「使い」を頼まれた。姉は弟の青葉をかばい、男児となって山へ赴く。人里とは時間の流れ方の違う山神の宮で、彼女は一人の男性と出会う。アタリという名の男性は、かつて山神さまの許へ送られた子どもだったが――

    ◇

 弟を想う「ぼく」や、山神さまに仕えるアタリの心情、山の風景などが、丁寧に描かれた作品です。孤独な女神を労わる少女の気持ちが沁みるように美しい。人界の営みと神々の暮らす異界とは、隔てがありますが、そこを超えて行き来する親子・兄弟の在り方は素敵だと感じました。
 個人的には、烏天狗がお気に入りです。

 陰惨さのない和風ファンタジーです。