氷王龍編

12話『緊急ギルドクエスト』

※4/10

設定の都合上、リーシャが冒険者になった時期を数日前から数週間前に変更しました。




――――――――――――






 早朝、ヴェルダの冒険者ギルド建物内。

 生活費を稼ぐために仕事を漁る冒険者を見ながら、エイルはため息を吐いた。

 ため息の原因は、昨日武力才覚検査球体が再び壊れてしまったことだ。

 優秀な人材が冒険者となってくれることは嬉しい。しかし、ギルド職員でありながら、ギルド支部長に会計係を任じられているエイルにとって、この短期間に再び高級品の備品を買い直さねばならないのは、頭の痛いことであった。

 エイル、ギルド職員、三十一歳。婚期を逃しかけの年齢で恋人なし。

 その上、職場ではストレスが多い。

 このままだと老けそうである。十五歳ほど。

 冒険者に言い寄られることの多いエイルだが、さすがにほいほい誘いを受けたくはない。せめて、冒険者のような不安定な職ではない男でないと、将来が不安だ。少なくとも、現在エイルの目に写っているような、昼間から酒を片手に騒ぐような輩はごめんである。

 ギルドのカウンターで、そんな脳内の悩みに頭を抱えていると、何やら冒険者たちがざわざわと騒ぎ始めた。

 また誰かが喧嘩でも始めたのだろうか。これだから冒険者は……

 そんな悪態を吐きながら、なんの問題が起きたのか確認しようと顔を上げると、冒険者たちは一様にギルドの扉を開けて現れた十五歳ほどの少女を見て驚いていた。

 その少女は、くすんだ金属の胸当てとボロボロの衣服を身に纏い、全身が血で赤黒く汚れている。おぞましい汚れを一手に引き受けた様子の少女の腰に下げられている、彼女の身なりとはかけ離れた上等の輝きを放つ細剣レイピアが、妙な違和感を生み出している。

 フラフラとギルドの床板を踏みしめた少女は、最後の気力を振り絞るようにエイルのいるカウンターを目指している。

 エイルはその少女に見覚えがあった。

 確か、数週間前に冒険者登録を行った新米冒険者だ。彼女の登録手続きはエイルが行ったため、記憶に新しい。レベルは12。ランクはE。

 その場でパーティーに誘われ、仕事をしていたはずだ。

 新米冒険者がお互いに手を取り合うように結成されたパーティーだった印象があるが、バランスのとれた構成で雰囲気もいい、期待出来るパーティーでもあった。

 昨日の夕方、氷王龍ガレスの洞窟で生えている薬草を採取するクエストを受けていたはずだ。

 仲間はどうしたのだろうか。

 そんな疑問が浮かんだが、エイルはカウンターから飛び出すと今にも倒れそうな彼女に駆け寄り、ボロボロの体を支えた。

 

「どうしました!?大丈夫ですか!?」

 

 エイルの声に上げた少女の顔は血と涙で乱れ、体は生々しい死の匂いを漂わせている。

 ひょっとして死んでいるんじゃ……

 動いているのにそんなことを思わせるほどに悲惨な様子の少女は、自分が生きていることを知らせるようにエイルの袖を掴んだ。

 そして、震える声を振り絞って、

 

「た、ずげで……助けでぐださい……!!」

「落ち着いて!パーティーメンバーはどうしました!?」

 

 エイルの問いに、少女は溢れ出る絶望を噛み締めるような表情のあと、

 

「死に……ました……」

「死……まさか、あなた以外全滅したんですか……!?」

 

 その言葉に、少女は力なく頷く。

 まさか、そんなはず……

 少女の所属していたパーティーは全部で五人。平均レベルは15程度だ。

 ヴェルダ周辺の魔物は弱く、また彼女たちがクエストのために訪れたであろう氷王龍ガレスの住処である洞窟は、ガレスという最強の魔物がいるにも関わらず出現する魔物は弱い。

 新米とはいえ、戦闘を行える力のある者が五人もいて、たった一人しか生きて帰ってこれないような、そんな高難度の場所ではない。

 

「誰か!回復魔法が使える方!手を貸してください!」

 

 エイルの言葉に、冒険者たちが動く。

 回復魔法を使える魔法使いの者が駆け寄り、戦士職の屈強な体つきの者たちは少女を安静にさせられる場所に移動させる準備をする。他の冒険者たちも仕事を探す手や食事の手を止め、持っているアイテムで少女を助けるために動き出す。

 さすがは日頃危険な仕事に身を投じている冒険者たちだ。こういった状況で、最も頼れる存在は緊急事態に慣れている冒険者であろう。

 手当てを行う冒険者たちに、少女のことを任せ、エイルは他のギルド職員に指示を飛ばす。

 これは、非常事態である。

 エイルの直感が、そう告げていた。

 少女への対応についての指示を出し終えたエイルは、このギルドを管理するギルド支部長の部屋へと急ぐ。

 非常事態に対処するためのクエスト、緊急ギルドクエストを発令するために――――

 

 

 

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 ギルドの扉を潜ったチルとフユキは、緊迫した雰囲気に驚くこととなった。

 二人がギルドを訪れた理由、それはクエストを探して仕事をするためではない。

 昼頃、朝に弱いチルがようやく起きてきて朝食兼昼食をフルートの食堂でとっていたところ、ギルド職員の制服を着た女性が二人のもとに訪れ、出来るだけ早くギルドに来るように言われたのだ。

 つまりは呼び出されたのである。

 

「私、呼び出されるようなことした覚えはないんだけど……」

「僕もだよ。強いて言うなら武力才覚検査球体をぶっ壊しちゃったくらいだし」

 

 フユキの心当たりと同じ心当たりを持つチルの額に、冷や汗が流れる。

 でも、検査時の破損は故意的なものを除き不問と言っていた。

 …………でもやっぱり、さすがに短期間で二つも壊れたのなら怒られるのは避けられないのではないか。

 

「にしても、なんか昨日の雰囲気と全然違うわね」

「そうだね、お酒を飲んでる人も少ないし……みんな真面目な顔してる」

 

 周囲の様子に疑問を抱く二人に、一人の男が駆け寄ってきた。

 

「おう、フユキとチルちゃん……だっけか。ギルドから呼び出されたらしいな」

 

 駆け寄ってきた男、コーズは、昨日出会った時の酔った様子はなく、皮の鎧を着て背中に担ぐ大きな棍棒はよく磨かれている。今すぐにでも出撃できるような、そんな構えだ。

 

「コーズさん、何かあったんですか?」

「行きゃあわかるよ。新米とはいえ、この仕事を務めるに足る実力があるのは、この街では間違いなくフユキだけだ。そっちのチルちゃんも、どこまでやれるかは知らないが、昨日の測定でフユキと同じレベルなら、ギルドから直々に呼び出しがかかるのも頷ける」

 

 そんな言葉を残し、コーズに早く行くように急かされた二人は、首を傾げながら奥のカウンターへと向かう。

 昨日見たカウンターの行列は少なく、並ぶ人々で職員を口説くような者も見当たらない。

 ギルド職員の中にエイルの姿はなく、フユキが一番空いている列でギルド職員に声をかけると、慌てたようにギルドのさらに奥へと案内された。

 カウンターの中へと入り、本来職員しか入ることの出来ない扉を通って階段を上がる。

 冒険者たちが利用する木で作られた時折軋むような階段ではなく、石で作られた重厚な階段を上り、建物の三階に相当する高さまで来たところで案内のギルド職員は立ち止まる。

 

「このままお進みになり、その先の扉にお入りください」

 

 礼儀正しく一礼した職員は、そのまま二人を残して階下へ戻っていく。

 その後ろ姿に顔を見合わせた二人は、階段の先に伸びる短い廊下の先にある扉に視線を移す。

 肩を竦めたフユキを合図に、足を踏み出した二人は先にある扉をノックした。

 「どうぞ」と女性の声が返ってきたのを確認してから、フユキは扉を開けた。

 

「突然呼び出してすまないな。よく来てくれた」

 

 扉の先は赤い絨毯が敷かれた、オンボロの建物に似合わない高貴な部屋だった。元の世界で言うところの社長室といったところ。

 部屋の中にいたのは、三人の人物。

 見知った顔のエイル、そして一番奥で黒革の椅子に座った鋭い顔つきの黒髪ショートヘアの女性、最後に応接用に低いテーブルを挟んで向かい合って置かれたソファに俯いて座る鮮やかな金の髪の少女。

 三人とも顔が整っており、美人勢ぞろいなのだがなぜか雰囲気は重い。

 

「俺はこの街のギルド支部長マドラだ。まぁ座ってくれ」

 

 ハスキーな声で俯く少女の向かい側のソファをチルとフユキに勧めたマドラは、自身も席を少女の隣に移す。

 

「突然の呼び出し、申し訳ありません」

 

 二人にお茶を出すエイルの言葉に、フユキはいえいえと軽く返す。

 

「フユキにチル。お前らが期待のルーキーだな。武力才覚検査球体を壊したって聞いた時は、どんな馬鹿野郎かと思ったが……ほぉ、随分いい面してるじゃねぇか」

 

 覗き込むように二人の顔を見たマドラの言葉に、チルは気まずそうに視線を逸らす。

 

「えっと、その、決してわざとは壊してないんです……」

「あぁ!?知ってるっての」

「マドラ支部長、もう少し温厚な声で返してください」

 

 エイルにたしなめられ、マドラは「おう、すまん」とチルに小さく詫びた。

 それに対する返しをチルが迷っていると、隣に座るフユキが気楽な声で、

 

「いやーすみません、強すぎるというのも困ったものですね」

「お前はもう少し申し訳なさそうにしろ!!」

「そうですマドラ支部長、もっと言ってやってください」

「そうですね、なんならこのバカ一回殴っても全然構わないので」

「えぇ!?」

 

 人を怒らせるのが得意としか思えないフユキに、周囲の四名中三名から冷ややかな視線が送られる。チルに至ってはフユキの首を掴んで、マドラに差し出している。

 

「さて、茶番はこれくらいにして、本題にいこうか」

 

 そんな室内のイライラは、真剣な表情となったマドラによって静まった。

 

「今日お前らを呼び出したのは他でもねぇ、緊急ギルドクエストをお前ら二人を指名して発令するためだ」

「緊急、ギルドクエスト?」

 

 言葉の意味がわからずフユキの方にチルが視線を向けると、

 

「その名の通り、緊急時に冒険者ギルド名義で発令されるクエストのことだよ。僕も話は聞いたことがあるけど、今まで発令された前例は聞いたことないし、まさか自分が指名されるとは思ってなかったけどね」

「あたりめぇだろ。緊急がそう頻繁に起こってちゃやってられねぇわ」

 

 マドラのごもっともな意見の後、後ろに控えるエイルがジャラジャラと音が聞こえる袋を二人の前に置いた。

 フユキが指を引っ掛けるようにして中身を確認すると、中にはキラキラと輝く金貨が入っていた。

 

「受け取れ」

「えっと……さすがに怪しいお金過ぎるんですけど……」

 

 当事者以外人目のないところで乱暴な口調と共に渡された金貨。

 これで怪しまない方がおかしい。フユキの返答は何も間違ってない

 

「受け取らなきゃ今後、この街で冒険者として働けないと思え」

「完全に脅しよね!?」

「まぁまぁチル、もらえるもんはもらっとこ」

「あんたもあんたで、なんかしら今の発言にツッコミなさいよ……」

 

 数秒でケロッと受け入れたフユキに、チルは呆れのため息を漏らす。

 フユキが袋を持って自身の近くに引き寄せたのを確認してから、マドラは再び口を開いた。

 

「そいつは報酬の前金金貨百枚だ。受け取った以上、このクエストを断るのは許さねぇ。もちろん、クエスト達成すればその倍額支払おう」

「マドラ支部長……毎度毎度思うのですが、このやり方犯罪じゃないですか?」

「いいんだよ!ここじゃ俺が法だ!!」

 

 完全にセリフが悪役だ。

 エイルも諦めているようで、二人の味方――――といっても、現状助けは必要ないが――――は無くなったも同然である。

 

「で、そのクエストというのは?」

「おう、まぁ大したことはねぇ。お前らには、とある魔物の調査を頼みたい」

 

 エイルに向かってマドラが合図をすると、彼女は持っていた紙の束から一枚の紙を取り出して二人の前に置いた。

 

「氷王龍の洞窟に特殊魔物個体ネームドモンスター……ですか?」

「そうだ。今朝、氷王龍の洞窟に新たな特殊魔物個体ネームドモンスターが確認された。推定ランクはA、恐らくレベルは100越えだと思え」

 

 魔物のつけられるランクと冒険者一人一人につけられるランク。それは同じようで同じでは無い。

 魔物につけられるランクは、冒険者と同じくF〜Sまでが存在するが、これは同ランクの冒険者六人のパーティーによって確実に討伐可能という指標であり、必ずしも同じランクの魔物と冒険者が一対一で戦って討伐することが出来る訳では無い。

 つまり、推定ランクAということは、確実に討伐するためには超上級者とされるAランクの冒険者が六人は必要ということ。

 さらに、特殊魔物個体ネームドモンスターとは、魔物の突然変異によって生まれた生息地域の生態系では考えられない程強力な力を持った魔物に、特別名前がつけられた個体のことだ。

 Aランクの特殊魔物個体ネームドモンスター。それはつまり、通常のAランクの魔物よりも強力なことを意味する。

 

「そんな強敵が、なんで氷王龍の洞窟なんかに?あそこの魔物はせいぜいランクE程度でしたよね?」

「それを調査するのもお前らの仕事だ。特殊魔物個体ネームドモンスターについての情報は、そこに書いてあることが全てだ」

「個体名『キラージェイソン』……なんかチェーンソー使ってきそうな名前ね」

「オーガの亜種……でも氷王龍の洞窟にオーガなんて生息してたかな……」

 

 書かれている内容に頭を捻っていた二人だったが、フユキはそういえばとマドラの方を見た。

 

特殊魔物個体ネームドモンスターって、確か名付けられるのは何度も調査が行われて危険と断定されてからですよね?今朝発見されたばかりなのに、どうしてこんなに名付けられるのが早いんですか?」

「そら俺が名付けたからな」

 

 えぇ……と言葉が漏れかけたが飲み込む。なんか文句を言うとまたすごい剣幕で威嚇されそうだ。

 

「殺されたんだよ、うちの冒険者がな」

 

 ポツリと呟いたマドラの言葉に、二人は顔を上げる。

 するとマドラは、隣に座る少女の肩を強く叩いた。

 

「昨日の午後、このガキ、リーシャが所属するパーティーが氷王龍の洞窟での採取クエストを行っていたところ問題の特殊魔物個体ネームドモンスターと交戦。今朝帰ってきた時には全五名いたパーティーはリーシャを除き全滅。パーティーの平均レベルは15、メンバーも新米冒険者のみ」

 

 そんなメンバーがランクAの特殊魔物個体ネームドモンスターと遭遇しては、とてもじゃないが勝ち目はないだろう。むしろ、一人生き残っていただけでも奇跡だ。

 仕方の無いことだとリーシャに同情する二人は、マドラの「だが!」という大声にビクリと反応する。

 

「リーシャの所属していたパーティーは、決して弱くなかった。平均レベルこそ低いが、戦士タンクが二人に魔道士ウィザードが一人、さらに回復役ヒーラーが一人、そしてこのリーシャは魔法騎士マジックナイトだ。下で飲んだくれてる馬鹿共が束になるよりずっと強い。それが瞬殺だったそうだ」

 

 マドラの言葉に、リーシャの俯いた顔から小さな雫が落ちた。

 確かにバランスは取れたパーティー構成だ。

 タンクとは、前衛で敵の攻撃を引き受けて味方を守ることを専門に立ち回る者であり、フユキの職業クラスである守護騎士ガーディアンは、タンクの最上位の職業クラスである。

 そのタンクが二人、さらに目の前にいるリーシャの職業クラスは魔法と共に戦う騎士、攻撃役アタッカーとして強い力を発揮するものだ。そして後衛には魔法攻撃と回復を行う者がいる。

 逃げに徹すればいくら相手が強くても、一人しか生き残れないなんてことは無い。

 この世界の団体戦闘をまだ経験していないチルだったが、それくらいのことは理解出来た。

 

「かつて王都に、冒険者だけを狙うジェイソンという名の殺人鬼がいた。そのジェイソンでも、冒険者が一人の時を狙って襲っていたという。団体の冒険者を相手に殺戮を行う魔物、ジェイソンすらも殺す力を持っていてもおかしくねぇ。そういうわけで、『キラージェイソン』ってわけさ」

 

 名の理由を語ったマドラは、続いて先ほど告げた推定ランクもレベルも、可能な限り高く見積って告げたことを明かす。

 その様子に、チルとフユキはアイコンタクトによる会話を行う。

 長い付き合いの二人にとって、アイコンタクトだけで意思をやり取りするのは容易い。

 

 ――――どうする?

 ――――僕は受けてもいいと思う。支部長の判断も正しい。

 ――――確かに、ものすごく頭のキレる人ではある

 ――――というか、僕達もう断れないんだけどね。

 ――――あんたがあの前金受け取るからでしょ!?

 ――――しょうがないじゃん、仕事できなくなるって言った支部長の目マジだったし。

 ――――どっちみち受けるしか無かったのはわかるけど……あぁもう!

 

「わかりました。このクエスト受けます」

「ありがとう。君たち以外では調査とはいえ死人が出かねない」

 

 チルの言葉に、ほっと安堵の声を発すマドラだったが、チルの上げた片手に言葉を切る。

 

「受けますけど、もう少し待ってください」

「なぜだ?」

「私の武器がないの。今作ってもらってるところなんですけど……」

「なるほど。どれくらいで出来そうだ?どこの店で作ってもらっている?」

「テトラっていう鍛治職人にお願いしてます」

「ほう……テトラねぇ……」

 

 何やら思案するように顎を撫でたマドラは、「わかった」と頷いた。

 

「どっちにしても氷王龍の洞窟は『キラージェイソン』の問題が解決するまで立ち入り禁止になる。数日なら大丈夫だ」

 

 その後、マドラから何か質問はあるかと聞かれたが、特にない二人が首を振ったことで解散となった。

 そして、部屋を後にし、ギルドの建物から出て大通りを歩いているとチルはフユキに向けて口を開いた。


「ねぇ、どう思う?」

「ガレスの衰弱期に、こうも都合よく色んなことが起こり始めた事について?」

「そう。王宮騎士団の素材買い占め、特殊魔物個体ネームドモンスターの出現、そして氷王龍ガレスの衰弱期。この世界には昨日来たばかりだけど、こんな偶然が重なることがないくらいわかる」

「そうだね……」

「あ、あの!!」

 

 フユキが唸るように考え込んでいると、突然背後から声をかけられ、二人は足を止めた。

 二人の後ろにいたのは、先ほどギルド支部長の部屋にいた少女、リーシャだった――――

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