第14話:火魔法の習得

 既存のスキルがレベルアップし、俺の目の前に討伐報酬である短剣、毒針、巻物が現れた。

 まずは報酬だ。スキルは全て終わってからにする。要するに無視だ。報酬の方が気になるからね。


 「おぉーすげー……。って、え? なんか変なの混ざってんだけど」


 ……ほうほう、短剣と毒針は分かる。でも、巻物って何?さそり関係なくない?

 他のアイテムは一旦置いておき、珍しい巻物を《鑑定》。確認する。


 ──〔アイテム〕──

 [名称]火魔法の巻物スクロール:Ⅵ

 ・巻物を広げることで火魔法を覚えられる。熟練度はゼロから。使い終わると消失する。


 「よっしゃ! 初魔法だ!!」


 まさかのさそりから火魔法がドロップするとは。

 さっそく巻物を広げてみる。

 見ると、表面には幾何学的紋様きかがくてきもんようが刻まれていた。

 次の瞬間、紋様がパァァァと光だした。

 そのまま、光の粒子となり、俺の身体へと吸い込まれていった。


 「お、おぉー……」


 自身に吸い込まれた瞬間、脳へと直に火魔法という概念、使用方法が刻み込まれるような感じがした。

 俺が今使える火魔法は初級魔法である『ファイア』だけのようだ。

 使用方法はその魔法名を口に出すだけで良いらしい。

 その後は自動的に魔力が消費するようだ。

 さっそく使ってみる。


 「『ファイア』ッ!」


 ───ボォォォッ!


 瞬間、俺のてのひら蝋燭ろうそく程度の小さい火が発生した。


 「おぉー! 魔法だ!! ずっと憧れていた魔法を今、俺が発動している!!!」


 幼い頃から憧れだった“魔法”を今、俺自身が使えていることがすごく嬉しくて、思わず快哉を挙げてしまった。


 「ふぅー。これで肉は焼いて食べれる。」


 あの極上霜降り肉(豚)を焼いて食べれることに心底安堵する。

 いやー、美味しい肉は美味しい状態で食べたかったしね。よかったよかった。

 火魔法はこれで一旦終わり。操作方法や工夫などは後でやろう。次の報酬は───……。


 「えーっと、次はこれとこれか」


 白の短剣と白の大針? だ。鑑定してみる。


 ──〔アイテム〕──

 [名称]白蠍の毒刃ホワイト・ポイズナー白金級プラチナクラス

 [能力]攻撃:S 耐久:S

 [スキル]白毒纏刃(特大)・強靱(大)・武器破壊(中)・魔剣(中)・毒耐性(小)・自動研磨


 [名称]白毒の死針デッドリー・ニードル白金級プラチナクラス×3

 [能力]攻撃:S 耐久:C

 [スキル]必殺死毒(特大)・必中自壊(大)・常時纏白毒(大)・投擲補助(中)・加速(小)

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