第4話:憧れのステータス
巨大な闇の穴に転落し、謎の洞窟に
俺は既に落ち着きを取り戻していた。
闇の穴に転落した後、気持ち悪い感覚やマイナス思考が続いて流石に『ヤバい』と思った時に光のヴェールに包まれ、無機質な女性の声が聞こえたのまでは覚えているのだが……。
意識が朦朧としていて内容は全く覚えてないです。てへっ☆
だが、ラノベ好きなのでこういうときの知識はちゃんと入っているのだっ! (ドヤッ)
そう、異世界転移したらまず最初に唱えるあの
「〖ステータスオープン〗ッ!」
さあ! 我が眼前に顕示せよステータス!!
すると、目の前に半透明のガラスのようなものが表示された。
「おぉー! あの、夢にまで見たステータスが今、俺の目の前に存在しているッ!!」
夢にも思った事が目の前で起こり、俺のテンションは
連絡手段があればこのことをラノベ友達に二時間ぐらいは自慢してるね。
自分のステータス画面を確認してみると、以下の通りだった。
──〘ステータス〙──
[名称]辰巳琥太朗(コタロウ・タツミ)
[種族]人間(ヒューマン)、
[
[スキル]
[魔法]なし
[称号]なし
すんげー! マジで自分にステータスがある! しかもなんか強そうなスキルがいっぱいあるぞ!
だが、……んん? 攻撃がSなのは小さい頃から力だけ強かったから高いのは分かるし、他もAなのもまあ分かる。よく分かんないけどわかる。
でもさ、よく見ると他はAなのに知識だけBって、酷くない?
まあ、たしかに偏差値は四十台だけどさ…………。自分で言ってて悲しくなるわ。
閑話休題。
その場で少し黄昏れながらもステータスの詳細を確認していく。
何故かスキルの使用方法はだいたいの感覚で分かるが、
直感でだが、スキルについては分かるので、一つ一つ確認と理解をしていく。
ちなみに直感というのは、そのスキルを思い浮かべるとなんとなく理解できるということだ。
《
試しに『破壞力』を
すると赤黒く
それをゆっくりと真横の岩石に向けて
そのまま力を入れる。すると────……。
触れた部分が“バキンッ”っと勢いよく“破壞”された。
見ると表面の岩石の部分が大きくヒビ割れ、蜘蛛の巣状となっていた。
「おおっ! マジかよ!!」
これがスキルかぁ。すげぇ! めっちゃ興奮する!!
こういうスキルとか使ってみたかったんだよね。
それから二〇分ほど確認のため、他のスキルも色々と使ってみた。
すると分かったことが色々とあった。
順に説明すると。
・《
威力(出力)や形状は自分である程度は調節可能。
球状で放出するなどの形状変化や自分の身体や物に纏わせたりすることが出来るようだ。
・《
一度発動さえすれば他の行動や物事が自動で制御・補正されることが分かった。
このスキルを行使してから改めて《破壞帝》を使用してみると格段に使いやすくなった。
スキルを使用する速度が上がったり『破壞力』の形状変化や放出、身体に纏わせる速度が大幅に上昇した。
・《
試しに腕に《存在強化》を掛けて岩石を殴ってみるとめっちゃ凹んだ。ちょっと痛かった。
ついでに俺の
具体的に言うとズボンが破裂するかと思った。ビビった。
・《
……今気づいたけど、このスキルレベルがない。どうやら、レベルがないスキルもあるようだ。
・《
・《
・《
おそらく闇の穴に転落した後に獲得・統合したのだろう。
・《
促進だからね。多分だがこんなスキルとかステータスがある世界だからエルフやドワーフなど長命種がいて、それと比べ人間は短命だから平等にしたかったんだろう。誰かが。
スキル構成は《存在強化》で自身を強化。《破壞帝》の『破壞力』を使いメインで攻撃。
他のスキル───《支配帝》などはほとんどパッシブなので各サポートがメイン、って感じで行こうと思う。
「いやー、改めて異世界って感じがするね。めっちゃワクワクする」
初めてスキルという能力を使い内心は超ウキウキである。
異世界なので
気分が高揚し、調子に乗って《存在強化》や《破壞帝》の権能を使いまくって遊んでいたら、仰向けにぶっ倒れた。
「えぇー……。ステータスには無いけどスキル使用するとき魔力使うのか………って、そもそもあったのかよ………」
なんだよー。スキル使い放題じゃねえのかよー。まあ、そんなうまい話ある訳ねぇか。
おそらくだが、ラノベの内容からすると魔力枯渇ってやつで倒れていると思うので回復したらこの洞窟を探索しようと意気込む。
スキルは使い過ぎないことをしっかりと頭に刻んで起き上がろうと意識する。だが──────……。
「うぅー………。あぁー……。ダメだめっちゃ気持ちワリぃ……」
魔力枯渇って、するとこんなに気持ち悪くなるんだー……。そういえばラノベでもそうだったなー……。とか思いながら全快するまでその場で休憩。
一時間ほどぶっ倒れていたのだった───…。
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