第3話:勝手にスキル獲得

 どこまでも続く夜より昏き闇の世界。

 光が一切存在しないそこで、俺はゆっくりと闇の波に流されていた。

 既に意識は朦朧とし、ベッドの中で夢を見ているような感覚だ。

 寒い……。悲しい……。ここは、どこなんだ………?

 光が一切無い闇の世界で、霧がかかったかのようにモヤモヤとしてハッキリしない思考が、マイナスな感情によって支配されていく。

 無意識に声を出そうとするが、何故か声が出せない。

 さらに、自分の存在が段々と消されていくような……消滅してしまいそうな感じが本能的にする。

 すると突然、無機質な女性の声が、脳に直接語りかけるように聞こえてきた。


 〈『次元の通り道ディメンション・パッセージ』での人間の存在を確認。『次元の裂け目ディメンション・フォール』から落下してきたと思われます。〉


 〈身体が魔力に適応していないため次元の通り道ディメンション・パッセージに多量に存在する超高濃度の魔素により、このままでは消滅します〉


 その声は、淡々と使命を果たすためだけに喋っている感じがした。


 〈消滅を回避するため対象の身体情報を確認します〉


 刹那。身体の周りが何か透明な手で弄くられているような感覚が発生した。

 まるで、俺を丸裸にしようとしているみたいな感じがしてあまり気持ちの良い物ではない。


 〈対象に加護ブランが付与されていることが確認されました〉


 〈対象の安全を確保するため強制的に発動させます〉


 〈光の加護シャイニング・ブランが強制的に発動されました〉


 俺の中に巣くっていた感覚やマイナス思考によって完全に支配されていき、本能的に消滅してしまうという一歩手前のこと。

 突如として俺の身体からだの周りに光のヴェールが出現。総身が包まれた。

 それはとても暖かかった。誰かに抱擁され、守られているような錯覚へ陥る。

 光のヴェールに包まれ、安堵したからか強烈な眠気に襲われた。

 それに抗えず、俺の意識は深く深くへと落ちていったのだった―――……。



……………。


…………。


………。


…。



 〈これにより身体が『次元の通り道ディメンション・パッセージ』に適応されます…………〉


 〈『次元の通り道ディメンション・パッセージ』に完全に適応しました〉


 〈『次元の通り道ディメンション・パッセージ』に適応したことで身体構造、及び存在自体が再構築されます〉


 〈再構築による媒体は『次元の通り道ディメンション・パッセージ』に多量に含まれる超高濃度の魔素が使用されます………〉


 〈………再構築が完了しました〉


 〈身体能力及び全体的な能力アビリティなどが大幅に上昇しました〉


 〈再構築されたことにより新たなスキルを獲得しました〉


 〈固有スキル:統合Ⅰを獲得しました〉


 〈固有スキル:成長促進を獲得しました〉


 〈超級スキル:天力てんりきⅠを獲得しました〉


 〈超級スキル:次元の適応者Ⅰを獲得しました〉


 〈上級スキル:言語理解Ⅰを獲得しました〉


 〈上級スキル:魔力変換Ⅰを獲得しました〉


 〈上級スキル:魔素操作Ⅰを獲得しました〉


 〈上級スキル:肉体制御Ⅰを獲得しました〉


 〈中級スキル:鑑定Ⅰを獲得しました〉


 〈中級スキル:心眼Ⅰを獲得しました〉


 〈中級スキル:精神統一Ⅰを獲得しました〉


 〈下級スキル:身体強化Ⅰを獲得しました〉


 〈下級スキル:魔力操作Ⅰを獲得しました〉


 〈固有スキル:統合によりスキルが統合されます〉


 〈超級スキル:天力Ⅰと上級スキル:肉体制御Ⅰを統合します〉


 〈星級スキル:破壞帝シヴァⅡを獲得しました〉


 〈中級スキル:心眼Ⅰ・下級スキル:身体強化Ⅰ・下級スキル:魔力操作Ⅰ・中級スキル:精神統一Ⅰを統合します〉


 〈超級スキル:存在強化Ⅳを獲得しました〉


 〈超級スキル:次元の適応者Ⅰと固有スキル:成長促進を統合します〉


 〈固有スキル:無限成長を獲得しました〉


 〈上級スキル:魔力変換Ⅰと上級スキル:魔素操作Ⅰを統合します〉


 〈星級せいきゅうスキル:支配帝テミスⅡを獲得しました〉


 〈星級スキル:破壞帝シヴァⅡと星級スキル:支配帝テミスⅡを統合します〉


 〈固有スキル:統合のランクが星王せいおう級スキルへの適正ランクより低級のため、統合に失敗しました〉


 〈経験値を獲得しました〉


 〈固有スキル:統合がレベルアップしました〉


 〈新たな『次元の裂け目ディメンション・パッセージ』を確認。〉


 〈『次元の裂け目ディメンション・フォール』の先は第七星ザ・セブンス・アークだと推定。〉


 〈対象が最低限生存できる環境の基準だと推測。よって、これより対象を第七星・アークへランダム放出します〉


 そして俺は、闇の世界から光の世界へ放出されたのだった。

 ───その直前。意識が少しだけ戻り、最後に『次元の通り道ディメンション・パッセージ』から放出される瞬間──────……。

 もう一度、あの無機質な女性の声が聞こえた。


 〈次の世界アークどうかあなたに幸あらんことを────────……〉


 最後に聞こえたその声は、何故か温かみがあると─────────そう、思ったのだった。











――――――――――――――――――――


・スキルランク(仮)

‧ ・星王級…後から出てくる。人類ではほとんど認識が無い。世界最強レベル。


 ・星級…破壞帝シヴァなど。獲得したらめちゃんこ凄い。世界でも上位に入れる。


 ・上級…魔力変換など。獲得できたら凄い方。ここから所有者は少数になっていく。

 

 ・中級…心眼など。獲得すれば中堅レベル。まあまあな実績が残せる。


 ・下級…身体強化など。基本スキル。少し練習すれば獲得可能。

 ・固有スキル…統合など。ランク外。種族ごとに違う。って感じです。


 ※変更する可能性があります。


 スキルは『アクティブスキル』と『パッシブスキル』に分かれていて、『アクティブ』は任意でONとOFFが可能、『パッシブ』は一度発動すれば自動で権能が発動し続けてくれる、という感じです(発動し続けるので魔力消費は『アクティブ』よりも少ない)。


 スキルレベルは習熟度や『心象イメージ力』でレベルアップします。


 人間(ヒューマン)だけの固有スキル:統合で統合をした場合、そのスキルの統合前のレベルを足した合計が統合後のレベルになります。


 統合後は任意でスキルの解体などができます。(する人は少ない)


 統合後のスキルは統合前のスキルも使用可能で、その機能がさらにパワーアップする、という感じです。


 スキル横のⅠなどの数字はレベルです。


 いちからじゅうまでにする予定です。


 レベルが上がれば、能力が多くなる、っていう機能は今のところないです。


 単純に能力の純粋な威力(出力)の上昇や魔力消費が減る、などを予定しています(仮)。



         *



 少しでも面白い! 続きが気になる! と、おもったら下の↓星☆で評価してくれると嬉しいです。(≧∇≦)b 

 よろしくお願いします。m(_ _)m














  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る