第44話 薔薇の騎士達への慶事

「シンリー、少し苦しいです」


シンリーは取り戻した両腕でさっきから僕をずっと抱きしめています。

嗚咽をあげながら力強く僕を抱きしめ続けるシンリー。


「ヒッ、ヒッ、オイゲン様。もう少し、ヒッ、もう少しで良いのでこうしていたいです」


身体を震わせながらシンリーは僕を抱き続けます。


「良いですよシンリー。気が済むまで僕を抱きしめてください」


「ああ〜、オイゲン様」


 シンリーはよっぽど僕と離れたくなかったんですね。

シンリーの僕を抱きしめる力が強くなります。

僕の顔がはだけたままのシンリーのおっぱいに埋まります。

ちょっと息が苦しいです。


でも、暫くするとシンリーの腕の力が弱まり寝息が聞こえてきます。

そうですよね。シンリーは大怪我をしたばかりなのです。

ゆっくりと眠らせてあげましょう。

そして僕はそっとシンリーの腕を外してベッドから離れます。


すると扉の外で僕を守っていたであろうミルが部屋に入ってきます。


「オイゲン様、襲撃犯の生き残りのグリーの尋問の結果を今からお話してもよろしいですか」


それは僕も知りたかった事です。


「ええ、かまいません。すぐに教えてください」


「ハイ、先ずは賊の目的ですがやはりマリー様を帝国に拉致する事でした」


「それは皇帝がマリーを取り返したいと思っているという事でしょうか」


「いいえ、皇帝陛下にとってマリー様は汚点なのです。

ですからそれを取り除きたいと思っています。

それも、出来れば自分の手で」


「それは、皇帝が自らの手でマリーを亡き者にしたいと言う事ですね」


「そうです。ですから可能な限り生きたままでマリー様を帝国に連れ戻すようにと命じられていたようです。

また、それが難しい場合はグリーの手でマリー様を殺めるようにとも。

それが皇帝陛下がグリーに課した任務でした」


「そうですか。マリーは皇帝の汚点ですか。

そう思うならマリーを自分の側に留めて置けば良かったんです。

バカな男ですね」


でも困りましたね。

そう言う事だとこれからも襲ってきそうですね。

どうやって皆を守るか考える必要があります。

それと、賊の事やシンリーの腕の事を皆に話さないといけないです。


「ミル、皆を食堂に集めてくれますか」


「はい、急ぎ集めます」


ミルはそう言うと足早に去っていきます。

僕も食堂に向かいます。


「さて、どう話しましょう」


食堂の椅子に座って僕は考えをまとめようとします。

帝国の皇帝からマリーが狙われている事を話せば皆動揺しますよね。

皆もバカでは有りませんから皇帝の意向であれば一度だけの襲撃で終わる訳でない事ぐらい分かるでしょう。


それにシンリーが腕を取り戻した事を話せば、みんな自分の手足も取り戻せると期待しますよね。


さて話す事は2点ですが、皇帝がマリーを亡き者にしたいと思っている事は素直に話してどう守りを固めるか考えるしかないですよね。


問題はシンリーにできた事がみんなにも出来るかです?

シンリーの腕を解剖する事で腕の構造を理解したからシンリーの腕が再生できたと言う事なら他の人の腕も再生できるのでしょうか?

少なくとも脚の再生は無理ですよね。


脚を再生出来る様になる為には脚を解剖する必要がありますね。

解剖できる脚ですか?

埋めた賊の死体を掘り起こして脚の解剖を行うぐらいしか当てはありませんね。

でも、死体を辱める事になります。

倫理的にどうなんでしょう?


僕が考え込んでいると徐々に薔薇の騎士たちが集まってきます。

そして皆の顔には悲しみや怒りがありますり


賊に敗れたからでしょう。

王国に降伏した時は数の暴力に負けたのであって騎士としての技量で負けたわけではありません。


でも今回は同数程度の賊に敗れたのです。

片手や片脚という身体的な不利が有るのですから当然と言えば当然の結果ではありますが、薔薇の騎士には元近衛兵としての矜持があります。

敗北を認めるのは辛いのでしょう。


「オイゲン様、マリー様とシンリーを除き、全員が揃いました」


ミルが皆が集まった事を教えてくれます。

では、皆に話をしましょうか。


「薔薇の騎士のみなさん。

昨晩起きた事について話したいと思います。

まず、襲撃者ですが帝国の皇帝の手のものです」


皇帝陛下が…部屋が騒めきます。

皆動揺してますね。

元帝国の近衛兵として一番敬うべきは皇帝ですから当然ですか。


「そして目的はマリーの拉致、殺害です」


そ、そんな。意に沿っていない婚約者とは言え殺害とは……皆に悲痛な表情が浮かびます。


「そうです、皇帝です。

マリーの拉致、殺害が皇帝の意向である以上、一度失敗したからと言って諦めるとは思えません。

再度の襲撃があると見るべきです」


皆にはキツイ話です。

母国の皇帝から命を狙われ続けると言う事ですからね。


「次に、賊に無残にも腕を切り取られたシンリーですが命に別状はありません」


『シンリー、助かったんだ』


『良かった、うれしい』


さざなみのように喜びの言葉が聞こえてきます。


「そして切り取られたシンリーの腕ですが、両腕ともポーションで再生が出来ました」


僕の言葉で皆の驚きの声が重なり合い大波となります。


「静かに、静かに、シンリーの腕が再生出来たのは素晴らしい事です。

皆も喜んでくれて僕もうれしいです」


皆が固唾を飲んで僕を見つめます。

聞きたい事は分かっています。


「それで、シンリーの腕ですが僕の作ったポーションで再生しました。

ただ、とても特殊なケースです。

なぜなら切り落とされたシンリーの腕を僕が解剖してこの目に細部まで焼き付けた結果出来た事だからです」


さて、彼女たちの希望にどう答えますか?


「シンリー以外の失われた手足が再生出来るかは試さないと判りません。

リン、腕が再生出来るかリンで試しても良いですか」


「はっ、はい、喜んで」


リンは飛び跳ねるように席を立ち、僕の元へと駆けつけてきます。


「オイゲン様。よろしくお願いします」


僕にそう言うとリンは上半身をはだけます。

服から解放されるリンの可愛らしいおっぱいがぷるんと揺れます。


「リン、リンも僕と一緒にシンリーの腕を解剖したね。

まずはシンリーの腕の解剖で覚えた腕の構造をよく思い出してね。

それから、自分の姿を思い浮かべるんだ。

両腕が健在だった頃の自分の姿をね」


「はい、オイゲン様が言われたように、まずは腕の構造を思い浮かべます。

それから両腕がある私の姿をですね。」


リンは目をつぶり僕が言った言葉を何度も繰り返します。


「リン、始めるよ」


僕はリンのおっぱいに手を触れます。

そして頂きにあるリンの乳首を咥えます。


「ふあん、ひゃあ」


「クニュ、クニュ、クニュ」


小さな蕾だったリンの乳首は唇の先でしか捉えられません。

ですから先ずは唇でリンの乳首が大きくなるように刺激します。


「ひゃ、ひゃ、ひゃん」


リンが声を上げだすと、硬く小さな蕾だったリンの乳首は大きく柔らかになってゆきます。

そのリンの乳首を歯で咥えて軽く刺激します。


「ひいいいいい」


大きくなったリンの乳首は乳を出す準備ができ始めています。


「クニュ、クニュ、クニュ」


「ムニュ、ムニュ、ムニュ」


「ムミュ、ムニュ、ピュッ、ピュウウ」


僕の口にリンの出す乳の香りが広がります。


「ゴキュ、ゴキュ」


口の中に溢れ出すリンの乳を飲み干しますり

僕の中でリンの乳から魔力が溜まり出します。


「ゴキュ、ゴキュ、ゴキュ、ゴキュ」


そろそろですねり

リンの身体が薄い光に包まれます。

その光の身体にはリンの腕もありますね。

これは上手く行きますかね?


そして、僕の手の先に光が集まり出します。

僕は光の中からポーションを取り出します。


「リン、ポーションです。飲んでください」


「はい、オイゲン様」


リンの手は少し震えています。

期待に押しつぶされそうなリン。

全身が震え出します。


「リン、リラックスして。

上手くいくか、いかないかは僕の作ったポーション次第でリンはただ飲むだけなんだから」


「はっ、はい、の、飲みます」


リンが一気にポーションを飲み下します。

リンの身体が再び光に包まれます。

失われた腕を光が形作ります。


「あっ、あっ、ああああああ」


リンが大きな声をあげます。

そして光の中からリンの失われた腕が再生されて現れます。


「うわあああああああ」


リンの声と共に光は消えてそこには失われた腕が再生されたリンがいます。


「オイゲン様」


言葉にならない感情の爆発が僕を両腕で抱き締めるという形で具現化します。


「オイゲン様、オイゲン様。

私、私、オイゲン様を抱きしめるられるんです、うえええええん」


リンの両腕が僕の頭を抱え込み、その手が一心に僕の頭を撫でまわします。


その時、僕の頭の中に声が響きます。


オイゲンは2回、欠損再生に成功した。

オイゲンは欠損再生ポーションの作り方を会得した。


シンリー、リン、2人の腕を再生した事で僕は欠損再生ポーションを作れるようになったみたいです。


これで皆の欠損も再生出来ます。

でもしばらくはリンに頭を撫でられながらリンのおっぱいに顔を埋めたままでいる事にします。


シンリーの腕が切り落とされた時の絶望がこんな形に変わるなんて。


『人生万事塞翁が馬』


そんな言葉を思い出しながらリンのおっぱいとよい匂いに僕は埋もれ続けるのでした。







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