第11話 父さまと母さまと秘密を共有する事にしました

窓から朝日が差し込んで、その明るさで目が覚めました。

今日も良い天気のようです。


そして、起きようとして気づきました。

あれ、ベッドが狭いです。


それ以前に誰かに抱きしめられていますね。

ああ、リリーですか。


そう言えば僕は昨夜僕の部屋に来たリリーのおっぱいでポーションを作ったんでした。

その対価としてリリーを逝かせてあげたんです。

そしてリリーはそのまま寝てしまったんです寝.


僕に抱きついている裸のリリーは満ち足りた表情で寝ています。

でも、僕のベットでリリーが朝を迎えているのは不味いです。

父さまや母さまに見つかったら大変です。


僕は急いでリリーを起こします。


「ああ、オイゲン様、お早うございます」


リリーは僕の顔を見て嬉しそうに微笑みます。

焦っている僕がバカみたいですね。


「昨夜はお情けを頂きありがとうございました」


そんな風にお礼を言われたら怒れませんね。


「僕の方こそリリーの協力で魔力が貰えて助かったよ。

でもちょっと不味いかな。

僕の部屋に裸のリリーがいる事が父さまや、母さまのに見つかったら大変だよね」


これからもリリーから魔力を貰う必要があるのでソフトに諭します。

そもそも僕も寝てしまったので強くは言えません。


「そうですね。急いで失礼しないとまずいですよね」


リリーもこれは不味いと思ってくれた様で急いで服を着てくれます。

それでも下着も付けていない格好ですから見つかる訳にはいきません。


早く、部屋に戻ってちゃんとした服に着替える必要がありますね。

僕はドアを少し開けて人の気配が無いことを確認します。


「リリー、今ならまだ父さまも、母さまも自分の部屋にいるようです。

だからリリーも急いで部屋に戻ってください」


「オイゲン様、リリーのせいでお困りですよね。

オイゲン様はお優しいのでお隠しでしょうけど、本当は怒ってらっしゃるのではありませんか?」


おかしいですね。

僕は自分の感情を抑えたつもりだったんですがリリーには何か感じる物が有ったんでしょうか?



「リリーはオイゲン様におっぱいを吸われずにはもう要られ無いのです。

でも、昨晩の様に急に押しかけてはオイゲン様にはご迷惑ですよね。

リリーも分かっているんです。

でも、どうしても抑えられないんです。

だからオイゲン様、お怒りとは思いますが、リリーを見捨てないでください」


これはフォローしないとダメな奴ですね。


「リリー、僕はリリー見捨てたりはしませんよ。

リリーは僕の家族も同然なんですから」


僕の言葉はリリーが欲しかった言葉の様ですね。

リリーの顔に大輪の笑顔が浮かんでいます。


「ありがとうございます。

オイゲン様に家族同然と言われてリリーは幸せです。

ああ〜、うれしいです。

リリーはこれからもオイゲン様に家族同然と言って頂ける様にオイゲン様にお仕えいたします。

なのでお願いいたしますね。

これからもリリーのおっぱいを吸ってくださいませ」


僕はリリーは家族同然なんだからリリーを見捨てたりはしないとは言いました。

でも、リリーに僕の部屋に忍んで来なさいとも、忍んで来たらリリーのおっぱいを吸うとも言ってません。


でも、リリーにはなぜか免罪符を手に入れたと勘違いして帰って行きました。

あの様子ではちょくちょく僕の部屋に忍んで来そうです。

これは不味いですね。

どうしましょうか?


決めました。父さまと母さまとポーションの秘密を共有する事にします。

これ以上隠しておくのは危険すぎますからね。


8歳で父さまの愛妾を寝とったとか思われたく無いですよ。

それに比べれば、おっぱいからポーション作れる事ぐらいバラしてもノープロブレムです。


そして、その日の夜、夕食の後に僕は父さまと母さまに時間を頂きます。

ポーションの秘密を2人に話すためです。


「それでオイゲン、話したいことってなんなんだい」


父さまから聞かれます。


「ハイ、父さまと母さまに僕の秘密を知ってもらいたいんです」


「まあ、オイゲン。母さまに秘密にしていた事なんてあるの」


「エルザ、そんな風に言ってはオイゲンが緊張してなにも話せなくなるよ。

まずは聴いてあげないとね」


父さまは流石です。領主として領民に慕われているのは伊達じゃないです。

きっと、いつも真摯に領民と向き合ってるんですね。


「そうね、オイゲン、ごめんなさいね。

母さまもちゃんとオイゲンの話を聴きますから焦らないでゆっくりと話してくださいね」


にっこりと笑いながら、母さまが僕に謝ってくれます。

母さまも流石ですね。僕と同じ目線で話をしてくれます。

それに母さまの笑顔。まさに天使の笑顔です。


2人に勇気づけられた僕は覚悟を決めて話し始めます。


「父さま、母さま。ポーションってご存知ですか」


「ああ、勿論知ってるぞ。特に怪我を治してくれるポーションは戦や狩には無くてはならないものだからな」


「それで、ポーションはどうすれば手に入るかはご存知ですか」


「なんだオイゲンはポーションに興味があるのか。

そうだな、オイゲンはダンジョンは知ってるかな」


「はい、魔物が住む迷路ですよね。

そしてダンジョンに住む魔物を倒すと死体は消えて、運が良いとドロップ品が出ると書斎にある本で読みました」


「おお。やっぱりオイゲンは賢いな。もうあの本を読んだのか.

あの本に書いてある通り、ドロップ品の一つとしてポーションが出るんだ。

だからポーションは貴重で高価だな。

なにしろ命掛けでダンジョンに挑まないと手に入らないからな。

それでも滅多にドロップしないからな」


「それでは人手ではポーションを作れないのですか」


「いや、効果の弱いポーションなら薬師が作れるぞ。

でも作り方は薬師のギルドが秘匿してるからな。

ギルドに属する薬師にならないと作れないはずだ。

だからダンジョン産に比べると効果が弱いポーションなのに手に入れるのは難しいな」


「ねえ、オイゲン。誰かポーションが必要な人がいたりするのかしら」


「母さま、そういうわけでは無いのです。

そうですね、見ていただくのが早いですね」


僕は自分の部屋でやった事を思い出してお腹に魔力を集めます。

そしてその魔力を指先へと動かすと指先が淡く光ります。


「オイゲン、魔法を使うのかしら?」


「魔法、魔法かもしれませんが少し違います」


さあ、ポーションを作りましょう。

ケガ回復ポーション、F級を作ります。


そう念じると、指先から光が溢れます.

光はやがて収縮して、そこにガラスの小瓶が現れます。

僕はそれを掴んで父さまと母さまに見せるのです。


「オイゲン、これは!」


いつも冷静な父さまの顔に驚きの表情が浮かんでいます。


「はい、F級のケガ回復ポーションです」


「そんな、ポーションを魔法で作るなど聞いた事がないぞ」


「だから秘密なのです」


「そうだな、確かに秘密だ。こんな事が公になったら大変な事になるぞ。

オイゲンは常に誘拐の危険に怯える事になるし、下手をすると有力貴族に飼い殺しにされるぞ」


「飼い殺しですか?」


「ああ、屋敷に閉じ込められて死ぬまでポーションを作らされる羽目になるな」


「え〜、そこまでされますか」


「ああ、有力貴族であれば戦となれば数千の兵を動かす。

その兵の全てにポーションを持たす事が出来れば、兵の稼働率が上がり倍の兵を持つに等しくなるな。

兵が倍に増えるのだ。

オイゲンを飼い殺すぐらい平気でするさ」


そうか、兵の生存率や稼働率が大きく変わるんだ。

それって…


「父さま、それって我が領民が出兵する際にもポーションは有効って事ですか」


「ああ、もちろんだ」


「では、このポーションは父さまに差し上げます。

それと、あと何本ほどポーションが必要ですか」


「それは出兵数や出兵期間にもよるが、オイゲンはそんなにポーションを作れるのか.

お前はまだ8歳児なんだから無理をする必要はないんだ

大人が8歳児に頼ることなどあってはならないしな」


「そうよ、オイゲンはやっと魔法を使い始めた所なの。

まだ、マナだって上手く扱えないでしょう。無理をする事は無いのよ」


「母さま、僕はマナは扱えませんよ」


「えっ、マナが扱えなかったら魔法は発動しないわ。

でもオイゲンはライトの魔法を使えるようになったでしょう」


そうですよね、普通はマナが必要と思いますよね。


「母さま、僕はポーションを作ったり魔法を使うのにマナは必要としないんです」


「「マナが必要無い」」


2人ともとても驚いてますね。


「イヤ、だって、マナなしでどうやって魔法を使うのかしら」


生活魔法が使える母さまには特に信じられない話なんでしょうね。

どうしましょう。

これから話す話は信じてもらえるんでしょうか。

あまりにとっぴですからね。


でも、もう僕は話すと決めたんです。

だから、話します。勇気を振り絞ってね。

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