第21話 爆弾発言


シーン...........


亜美の登場によりその場は静粛に包まれた。普段はおとなしい亜美が堂々と涼真の前に立っているのだ。そりゃギャップに驚くだろう。


もちろんファンクラブも静まり返った。井上の後ろ盾(勝手になってるだけ)なので何もできない。


「小清水君が困ってるでしょ?やめてあげてよ。みんな!」


亜美が声を張り上げて言った。


ザワザワ.............


ファンクラブは動揺しはじめた。だがそのうちの一人が


「しかし井上さん!あ、いや様!こいつがあなたのストーカーだと聞き.....」


「ち、違うわよ!こ、小清水くんは.....え?ふぁ?ああ、私の彼氏なんだから!」


。。。


「ええええええええええええええええええええええぇぇぇぇ」


「嘘だろ?おい!あのあの井上様に彼氏だと!!!!!」


「まさか涼真のこと海を海を超えて好きでいたってのか!」


「確かにあの二人幼馴染だけどここまで展開していたとは。。。」



とファンと野次馬そろって騒ぎ出した。


「。。。え?」


全く状況を読めていない涼真は唖然として亜美を見上げた。


「そ、そういうことだから!もう行くよ涼真!」


「んん?ええええ???」


「ほら動けバカ。」


とななみに促され3人はまた屋上へ向かったのだ。。。









「ちょっとななみどういうつもり!?涼真くん助ける方法教えてあげるって言ってたのになんであんなことみんなの前で私に言わせるの???」


亜美は顔を真っ赤にしながらななみに怒鳴った。


実は騒ぎが起き始めた頃。。。


「あれ涼真くんだよね?どうしたんだろう。。。」


「亜美知らないの?あれ亜美のファンクラブなんだよ?」


「私のファンクラブ?そんなのあるのおかしくない?」


「とぼけないでよね。亜美の可愛さじゃそうゆう人も現れるさ。。。」


「か、可愛いとか。。。って!それよりなんでそんな人たちが涼真の周りに?」


「あ、あのね。。。それ多分亜美のせいだと思う。。。」


遠慮がちにななみは言った。


「ほらーこの前さ、亜美が嬉しそうに涼真くんのこと話してたでしょ?」


「う、うん。。」


「私は言わなかったけど亜美結構声大きかったよ??」


「え!!てことは。。」


「そういうこと嫉妬したみんなが押し付けてるってわけ。」


「じゃあ私涼真くんに迷惑かけちゃってるじゃん!どうしよう。。。」


困った顔で亜美はうつむいた。


「私が教えてあげる!ほら行くよ!」


「え、えええ?何するの?」



と言った感じで亜美はななみの言いなりに喋っていたのだ。本人の意思とは関係なく。。。。






「そんな怒らないでよ亜美?実際涼真くん助けれたじゃん?」


「もっといい方法があったでしょ?もう!!」


と言い合っている二人の間に



「あのーまじで状況つかめないんだけど。どゆこと亜美?」


「あ、いやいやね!涼真くん困ってるから助けに来ただけで嬉しそうに喋ってたとかそんなことはなくてね!!!」


丸見えの嘘だ。当然涼真も知っている。


「あ、それは俺知ってる。健太から聞いた。」


「。。。」


「ほら亜美もう気づかれてるじゃん!思いっきり言いなさいよ!」


「ええええ、でも早いよそんなの!」


「関係ない!ほら!!」


とななみに押され亜美は涼真の前に立った。


「。。。。」


「。。。。。。」


「。。。。。。。。。」


「。。。。。。。。。。。。」


「やっぱまだ無理〜!!!」


と亜美は走りながら屋上を出ていった。。



「結局なんだったんだ?彼氏とかなんとか?なー松本お前わかる?」


ととぼける涼真に呆れたななみは顔をぐいっと近づけて


「涼真くん好きな人いるでしょ???」


「え!!いねぇよ!てか突然すぎるだろ!」


「いーやいる!亜美でしょ?ねぇーそうでしょ?」


「誰がそんなこと言ったんだよ!俺一言もそんなこといってねぇぞ!」


「ほんとに?ほんとにほんとに?嘘ついてない?」


「そっか。。。でもいつか亜美の想いに気づいてあげてね!」


と明るく言い残しななみも去っていった。


「。。。」


ななみに言われたことを頭の中で反芻した涼真はやがて気づいた。流石にね。。。


キンコーンカーン、キンコーンカーン


と昼休みの終わりを告げると同時に涼真は立ち上がった。


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