第20話 金曜日の学校
キンコーンカーンコーン......
4時限目が終わり栗生高校の昼休みが始まった。
涼真はいつも通りサッカー部のメンバーと食事を始めた。もちろん健太も一緒だ。あの対決以降意気投合し今は親友と言っても過言ではないほど仲がいい。
いつも通り涼真たちが大好きなワンピースの話になった。
「にしてもこのタイミングでジンベエが来るとは!神展開すぎだろ!」
海斗は興奮気味に言った。
「まじで!俺まだ読んでねぇんだよ!ネタバレすんじゃねぇよ!」
まだ読んでいない涼真は怒った。
「知るか!お前いつもおせぇだろ。」
呆れ気味に健太が言った。
「仕方ねぇだろ。俺のお小遣い少ないんだから。。。」
と涼真はしょげた。
「じゃあ、ワンピの話は終わりにして涼真の話にしようぜ。なーお前らもきになるだろ?」
と慶人は言った。
「ん?俺のこと?なんだよ。」
全く勘付いてない涼真はとぼけた
「おいおい、照れてんのか!このモテモテ提灯パンツ!」
「ほんまそれ、お前俺たちに喧嘩売ってんのか?」
口々に俊介と海斗はいった。
「下校のことだよ!おめぇ毎日あの井上と一緒に帰ってんだってな?羨ましいぞおい!」
「あの女神と帰ってるとかふざけんな!俺なんかまだ喋ったこともないのによ!」
健太と慶人も口々に言った。
ようやく理解した涼真は
「は!?なんでお前らそんなこと知ってんだよ?覗き見か?趣味悪いぞ?」
慌てる涼真を見ながら健太はため息をついた。
「俺たちじゃねぇよ。井上本人だ。」
「え?亜美が?」
「下の名前で呼んでやがる。。。」 と海斗
「そうさ。驚いたよ。あんな落ち着いた井上が嬉しそうに喋ってんのが廊下から聞こえたんだよ。全くお前ってやつはイケメン、スポーツ万能、英語も喋れるとか。。。全男の敵だぞ?」
と健太が言った。
「亜美が言ってたのか。。。って!やっぱりおまえじゃねぇか!盗み聞きは性格悪いぞ??」
「あのな〜。おそらくもう全校生徒が知ってるぞ?俺以外にも口が軽そうなやついたし。まー熱々もいいが気をつけろ?井上のバックにはファンクラブまでできてるからな。」
「お前人をからかうんじゃねぇーよ。。。」
「え、やばいどうしよ。」心の中では焦りまくっている涼真であった。
そして昼食後の昼休み(昼休みの中の自由時間)涼真が想像していたことが起きた。
「おい、てめぇ小清水!!貴様あの笑顔の天使と一緒に帰っているだと?しかも手をつないでいた?デート?貴様ぁぁぁぁぁぁぁ。」
「よくも井上様に手を出しやがったな!許さん許さー〜〜ん!」
と口々に井上LOVEと書いたハチマキをつけた井上のファンクラブこと、「井上の処女を守る会」によって完全に涼真は包囲されていた。
先程までは健太たちがいたが自由時間が始まった途端に消えてしまった。おそらくわざとだろう。
「誤解してるって!確かに一緒に帰ったけど!なんもしてねーよ!ほら手をつないだとか!やてねぇーって!」
必死に弁明をする涼真だがこいつらは止まりそうにない。それによく見たらハチマキをつけた健太たちがいた。。。あいつら覚えてろ。。。
涼真がこの事態をどうにかしようとしていたとき
「やめて!」
とその美しすぎるオーラをまといながらあの亜美が勇敢にもやってきたのだ。ななみと一緒だけどね。。。
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