第18話 瑞江の思惑
時刻は午後6時
"ただいまー。” と一段と疲れた様子でななみは言った。学校から帰ってきたのだ。
”おかえりなさい。ななみ。” 瑞江は返した。
ここは松本姉妹の家である。
”ふぁーー。疲れたー。お姉ちゃん助けてー”
”何かあったの?”瑞江は聞いた。
”今日亜美がさー。すごかったの。”
”ななみの親友のこと?”
”うん。今日ずーっと涼真くんのこと話しててさその話し相手がずっと私だったの。”
そう亜美は涼真と一緒に帰ったことをかいつまんでななみに一日中話していたのである。よほど嬉しかったのだろう。
”なんか人が変わったみたいに明るくなってさ。まー私がアドバイスしたから仕方ないんだけどね。” とななみはため息をついた。
”ちょ、ちょっと話についていけないんだけど。亜美ちゃんがその涼真くんが好きなの?” 話についていけない瑞江はななみにブレーキをかけた。
”うんうん。超大好きでさデレデレなの!好きすぎて涼真くんを隠し撮りしててさその写真まで私に見せてきたの。” とななみは瑞江に写真を見せた。
”っ。。。。” 瑞江は驚いた、というか絶句した。その写真に写っていたのは瑞江がナンパした涼真そのものだったからだ。
”あれ?どうしたの?お姉ちゃん?” とななみは不審そうに聞いてきた。
”別になんてことないわよ。少しかっこいいなーって。” 瑞江ははぐらかした。
”でしょー?亜美には悪いけど私も惚れちゃうぐらいかっこいいよね!” とななみは惚れて当然と言う顔でうなずいた。
だが瑞江は相変わらず難しい顔をシた。なぜなら瑞江は色々と涼真に手を出したからである。もしそのことがバレたら瑞江はとんだ赤っ恥を書くことになる。一応法に触れているし。。。
”その涼真くんと帰りに一緒にデートしたって大騒ぎだった!” とななみは我が親友の恋愛がうまくいっていることに満足していた。
だが瑞江は次第にその話に嫉妬し始めた。飛行機では面白半分に声をかけて遊んだわけだが、ななみから聞く話、飛行機の中での涼真の細かい気遣いを思い出すたびに瑞江はloveの感情を涼真に持ち始めた。それも当然。もう会わないと思った相手がすぐそこにいるのだ。瑞江は決めた。
”というわけでこんなことを亜美に言われたの。” とななみの話は終わった。
”疲れてる割には長く喋ったね。まーいいわ。お風呂に入ってきなさい。”
時刻は8時を回っていた。
”はーい。”
とななみがお風呂に入ったあと瑞江は携帯を取り出した。そして飛行機の中で盗み書きした涼真の電話番号に電話するのであった。。。
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