第15話 亜美の決意

 涼真と健太の対決も終わり亜美はななみと帰路についていた。隣でななみが色々と喋っているが亜美には全く聞こえていなかった。


 ”涼真くんてすごいよね!県トレの人に勝つとか。。。って聞いてる亜美?” ななみはぼーぅっとしている亜美に聞いた。


 ”ボー。。。。。。”


 ”おーーーーい。”


 ”ボーーー。。。。”


 ”亜美!”


 ”は、はい!な、何?”


 ”私の話聞いてた?”  ななみは不審そうに亜美にきいた。


 ”う、うん。少し考え事してただけ。なんでもないよ。” 亜美は答えた。


 ”絶対何かあるでしょ?正直に言うと亜美にやけてたよ?何考えてたの?” 


 ”ふぇぇぇ!見てたの!”


 ”あったり前じゃん!で?どうしたの?”


 とななみが聞くが亜美はあまり口を開こうとしない。


 ”親友でしょ!言いなさい!” とななみは親友の特権を使った。


 ”わ、わかったよ。笑わないでね?” 照れながら亜美は言った。


 ”ウンウン!” ななみも少し真面目な顔つきに変わった。


 ”やっぱり私涼真くんのこと大好き。好き以上に好きなの。ずっと一緒にいたいって思う。でもなんか久しぶりだから涼真が私のこと好きなのかわからなくて昔のように接していいのかわからないの。。。”


 亜美は打ち明けた。久しぶりに再会した亜美と涼真はもとの関係に戻りつつあるがそれ以上には進展しようとしていない。たしかにまだ涼真が帰ってきて1週間だがあの容姿と身体能力があればモテて仕方がない。亜美はその前に涼真を捕まえておきたいのだ。それを聞いたななみは


 ”なるほどね。確かに難しいけど亜美が素直になれば解決すると思うよ?”


 ”素直に?” 亜美は聞き返した。


 ”うん。好きなら好きって決めて涼真くんにアタックしたらいいんだよ。もしかしたら涼真も亜美のことが好きかもしれないし、もし今好きじゃないとしても亜美がアピールし続けたら想いに気づくよ。幼馴染でしょ?それくらい通じるって!”


 ”そ、そうかな。”


 ”うんうん!自信を持って!笑顔の天使さん!亜美もとびっきりに可愛くなってるんだから自信持って!”


 ”うん。わかった。私頑張るね!”


 ”うんうん!” と解決かと思ったが


 ”どうすればいいのかな?ななみ。” と亜美は聞いた。


 ”わからんのかい!ま、いいけどさ。” 続けてななみは言った。


 ”まずは学校終わりに一緒に帰ることだね。一緒の帰って会話をするのはすごくいいことだし仲が深まるよ!”


 ”な、なるほど。”


 ”ついでに寄り道とかしちゃってちょこっとデートって感じもいいね!”


 ”おぉーー!” 亜美は感嘆シた声を出した。


 ”回数重ねたら手をつないでみたり体を涼真くんに当てることね!女子のボディタッチに勝てる男なんていないんだから!”


 ”だ、大胆だね。” 亜美は少し引きつった顔をしたがその頬は桃色になっていた。


 ”だーいじょうぶ!絶対成功するから。あと付き合いたいなら。。。あそこしかないね。”


 ”うん?何?”


 ”6月にある沖縄への修学旅行!そこで一気に距離を縮めるんだ!”


 ”うん!わかった!”


 ”よし!早速作戦会議ね?亜美の家行っていい?” ななみは聞いた。


 ”い、イマから?わかったよ。”


 ”よーし直行だ!”


 こうしてななみと亜美による涼真落とし作戦は始まったのであった。

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