第13話 メンバー集め

 その後涼真と健太がサッカー勝負をするという噂は風の速さで全校生徒に広がった。


昼休み涼真は俊介、慶人、海斗を集めていた。もちろん今日のメンバー集めのためだ。4人であと一人を誰にするか考えていたのである。


”言っておくが健太をあまりなめないほうがいいぜ。” 慶人は言った。


”同感だ。あれでもあの事件のあと急成長してイマじゃ県トレだ。涼真のイマの実力はまだ見てないからなんとも言えないが舐めるレベルの相手じゃない。”


海斗も賛同した。俊介も続いた。


”で、自信あんのか?涼真?健太の目的はお前を潰すことだ。おそらく県トレのメンバーつれてくるぞ。俺たちも一応市トレだが頼みの綱はお前だけだ。”


”県トレがどれくらいすごいか知らんが大丈夫だろ。まだ誰にも言っていないが俺アメリカでプロのチームにスカウトされたんだ。帰国するから断ったけど。”


涼真は少し照れながら自慢した。


”まじか!心配して損したぜ。なー?” 慶人は胸をなでおろしながら言った。


”で、どうする?あと一人?” 俊介が聞いた。


”戦力になるとしたら。もうあいつしかいねぇな。” 涼真はにやけながら言った。




そのあいつに涼真は電話をかけていた。


”久しぶりだな。翔元気か?”


”これはこれは涼真くんじゃないですか!お久しぶりです!” と翔こと和田翔は陽気な声で言った。


翔は小学生の頃涼真と同じクラブに所属しており二人でトップチームのエースとして君臨していた。学校は違ったがチームの中では二人は相棒と呼ばれるほど仲がよく連携が取れていた。そんな翔はイマサッカー強豪校の滝川高校に通っているのだ。


”相変わらず元気だな。実は頼みがあるんだが。。。”


”涼真くんのお願いなら何でも聞きますよ!どうしました?”


”実は健太にサッカーで勝負しろと言われてな。メンバーが必要なんだ。今日の放課後栗生高校に来れないか?”


”全然いいっすよ!健太のことだから涼真を潰して恨みを晴らしたいんでしょうね!ぶっ潰してやりましょ!” と翔は余裕の表情を見せた。


”助かる。じゃあ放課後また!” 


”はいよ!”


”これでひとまずメンバーは集まったな。”涼真は安心した。


そこに俊介が息を切らしながらきた。驚いた涼真は


”どうしたしゅん?息切らして” と聞いた


慌てた表情の俊介は


”おい、健太のメンバーみたが県トレ以上のメンツだ!あいつナショトレのメンバーつれてくるぞ!大丈夫かよ!” と言った。


ナショトレとはナショナルトレーニングいわば日本代表的なものである。俊介が焦る理由もわかる。だが涼真は冷静だった。


”なんでそんな落ち着いてんだ涼真?頭うったか?” そんな涼真を見て俊介は言った。


”いや、大丈夫だ。5人目の助っ人を呼んだ。あいつがいれば負けることはない。”


”誰だ?”


”翔だ。あいつに勝てるディフェンスはいない。”


”か、翔!あ、あいつが来んのか。そいつは驚いた。なら大丈夫か。”


”だろ?俺たちは負けねぇ。健太の叩き潰そうぜ!”


と意気揚々に涼真たちは放課後を迎えた。



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