第10話  涼真はモテモテ

 

 亜美とアレをシたあと涼真と亜美はお互い恥ずかしくて連絡もとっていなかった。そんなこともあり涼真は少し心の中がモヤモヤしながら栗生高校登校初日、いや復帰初日を迎えたのだ。

 

 少しモヤモヤしながら歩いていた涼真だが


 ”おい!涼真か?涼真じゃねぇか!”という懐かしい声が聞こえた。


 振り返るとそこには幼馴染にして涼真の親友である本多俊介がいたのである。俊介は涼真と同じサッカー部にいたのだ。明るくやんちゃすぎるせいか精神年齢がわからないくらいだ。


 ”やっぱ涼真じゃねぇか!ひさしぶり!”


 ”しゅん!久しぶりだな!”とかつて呼び合っていた名前でお互いを呼んだ。


 ”俺今日涼真が来るって聞いたから夜もろくに寝れなかったんだぞ!”


 と俊介は興奮を隠せずにいた。


 ”楽しみにしすぎだろ!ま、俺もヒトのこと言えないけどな!”


 涼真も実は夜あまり寝れていなかったのである。


 ”お互い様だな。てかお前でかくなりすぎだろ?なんで俺よりでかくなってんだ?”


 中1の頃は俊介のほうが大きかったがイマは涼真が185cm俊介が180cmと追い抜かしたのである。


 ”お、おめぇ。ちびだなしゅん!”


 ”うるせぇ!俺の口癖真似すんじゃねぇよ!くそ!”


 といじられた俊介は怒ったがそこに本物の怒り表情はなかった。心底涼真との再会を喜んでいた。


 ”しかしお前めちゃイケメンになってんじゃねぇか。もともとモテてたけどよ。このまま高校来たらお前やばいことになるぞ?”


 ”ん?俺モテてんのか?”と鈍感な涼真は返した。


 ”相変わらずお前は鈍感だな。まー驚くな。お前がイケメンになったぶん、女子もちょー可愛くなってんからよ!”


 そう言い俊介は急げと言わんばかりに涼真を引っ張った。


 俊介が言っていたことは本当に起きたのである。



 涼真が校門をくぐり1年3組に入った瞬間クラスの中はもちろん廊下にまでヒトが集まっていたのである。


 ”キャアああー!あれ涼真くん?超かっこよくなんてるんですけど!”


 ”アレが噂の涼真先輩?かっこよすぎー!”


 ”我慢できない。告白しに行っていいかな?”


 と本当に女子たちは大騒ぎだった。


 ”ほんとお前ってやつは羨ましいな。俺全然モテねぇのによ。”俊介はつぶやいた。


 ”お前充分モテてんだろ?ほらいっぱいヒト来てんじゃん。”と涼真が言った。


 ”あれはお前を見に来てんだよ。アホ。”


 ”そうなのか?そいつはびっくりだ。”とやり取りをしていると


 ”おう!涼真久しぶり!”


 ”相変わらずイケメンだな!おい!”


 と氷川慶人と古田海斗が来たのである。二人ともサッカー部であり少しヤンキーな正確なのだ。


 ”お前らも相変わらず性格変わってねぇじゃん!”涼真は嬉しそうに言った。とお互いの再会を喜んでいると騒いでいた外野も静まり”おっふ(oh)"と次々に聞こえてきたのだ。


 振り返ってみるとそこにはななみに連れてこられた亜美が頬を紅潮させながら近づいていたのだ。そう笑顔の天使が。



 ”りょ涼真、ひ、久しぶり。。。”と亜美は言った。


 ”あ、亜美か。ひ、久しぶり。”と涼真は顔をそむけながら言った。この雰囲気は完全にリア充にしか見えなかったのである。


 ”おい、なんであの天使が久しぶりに帰ってきた涼真と喋ってんだ?”


 ”イマまで男全員ふった鉄壁が自分から喋りかけるなんて?”


 ”まさか好きなのか?”


 ”しかしこの高校を代表する美男美女だ全然ありえるぞ!”


 と亜美が喋りかけただけで外野が騒ぎ出した。当然亜美と涼真は照れだした。そして”プイッ”とお互い顔をそむけてしまったのである。


 それもそのはず二人はキスをシていたのだから。。。


 そんな二人を見て呆れたななみが二人を屋上まで連れて行ったのだった。。。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る