第7話 亜美との再会
どのくらい時間が経っただろうか。亜美と涼真は微動だにせずお互いを見つめていた。レストランの中は騒がしかったが二人の空間は完全に無音だった。それを打ち破ったのは涼真だった。
”亜美か?”涼真は少し上ずった声で聞いた。
”そ、そうだよ?ひ、久しぶり涼真くん。。。”と上目遣いで涼真を見ながら言った。
”........"
"........"
また無音の空間ができてしまった。その理由は単純だ。二人ともお互いを見つめたまま見とれていたのだ。
”こ、これが涼真くん?めっちゃかっこいいじゃん。。。てか身長伸び過ぎだよ。。。どうしよう、かっこよすぎて何も言えない。。。。”亜美は心の中でつぶやいた。
同じことが涼真にも起きていた。”あ、亜美超かわいいんですけど。顔も大人びて美女になってるしそれに胸。。。”涼真の目線は亜美の胸に釘付けになっていた。亜美の胸は巨乳とは言わないものの十分に膨らみが服の上から見れるサイズになっていったのだ。
思わず見とれてると
”ねぇ、どこ見てるの?”と亜美が胸を押さえながら言った。
”いや、なんでもないさ。”と涼真は目線をそむけた。。。。
また無音。久しぶりに再会したらこうなるのもしたらこうなるのも仕方ない。だがこのままではなんとも居心地が悪いので涼真は亜美に喋りかけた。
”そういや亜美はなんでこのレストランにいるんだ?ここ結構栗生から遠いだろ?”
”あ、いや。別に深い意味はないよ。久しぶりに親と食事をしているだけで。”明らかに亜美は動揺を見せた。なぜなら亜美がココにいるのはマチコが知らせたからである。”涼真が来るから亜美ちゃんよかったら来ない?”と。亜美は簡単にその話に乗り親を説得して来たのだ。
”そっか。奇遇だね。まーどのみち学校で会うことになるけどさ!”
”う、うん。そうだね。涼真は栗生高校の来るんだよね?”
”そうそう。クラス一緒だといいね!”涼真は何気なく言ったつもりだがその言葉は亜美の頬を紅潮させた。
”な、何格好つけてるのよ。そそんなこと言わないでよね。”
”あ、いやすまん。そんなつもりはなかったが。”とまたお互い喋らなくなった。そんな静粛を破ったのは亜美の妹理子だ。
”お姉ちゃんなーにいい雰囲気になってんの?このお兄さん誰?彼氏?”
”り、理子!違うわよ。”亜美は照れながら返した。
”このヒトが前に言ってた久しぶりに帰ってくるヒト?”
”そ、そうよ。涼真くんだよ。”
”へー。涼真くん?私と付き合わない?”理子は唐突に言った。
”へ?いや、いきなりすぎるんだが” 涼真は首を傾げながら言った。
”ま、いいや。それよりも周り見たほうがいいよ?お姉ちゃん?と涼真くん?”
そういつの間にか騒ぎを聞きつけた店員が来ていた。
”お客様これ以上騒がれますと退場していただく以外ほかなりません。もう少し静かにしてもらえないでしょうか?”
店員は言葉遣いは丁寧だが上っ面だけの冷血な笑顔を見せながら言った。
”あ、はハイ!すみません。お騒がせして。”と涼真は謝った。
”わ、私もすみません。”
と二人揃って頭を下げていた。その様子がまるで新郎新婦に見えたのか涼真の両親と理子はニヤリと笑っていた。
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