第2話 私の思惑

彼はモノをくれる。私は心が欲しかった。ただそれだけ。


高校最後の登校日。私は校門前で彼に自分が都会に就職してしまう事、一年間は連絡も会う事もしない事を伝え、学校を去った。


彼は私に裏切られたと思うだろう。心配性な彼の事だ。今頃、遠距離恋愛の難しさとかで頭が一杯なのだと思う。でも、私はヒントを残したよ。それに彼が気が付いてくれるのか、それとも気が付かないのかで私たちの未来は決まってしまう。だからお願い、あの場所に来てね。それまでの期間は示したよ。待ってるから。


私はずるい女だ。決定権を彼に全て押し付けてしまうなんて。でも、それしか手はなかった。

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