第25話
「他、立候補・推薦はないか?」
担任のジャスティスの声が教室に響く。
反応はなく、教室はざわつき始めていた。
2人に視線が集まる。
「橘か一条か?」
どちらがクラス委員になるのか。
またお互いの推薦のやり取りから、2人には何かあるのか?
みんなの思惑が、2人を好奇な視線にさらしていく。
「では、決めるぞ」
ジャスティスが黒板に書き始める。
「クラス委員 橘」
黒板にはそう書かれていた。
黒板の文字を確認したのか一条の顔がにやけている。
しかし、チョークは止まらない。つづいて、
「クラス委員 橘 一条」
黒板にはの文字が刻まれていた。
「では、これからは橘と一条にクラス委員をやってもらう。推薦してくれた2人に拍手!」
教室が拍手の音で包まれる。
「放課後、2人で職員室に来るように」
起立、礼。の言葉とともにホームルームは終了を告げる。
ジャスティスは去っていき、教室は昼休みのリラックスムードに包まれていく。
「おい、お前どういうつもりだよ」
声のする方を見ると、一条がこちらを見下ろしている。いつもの2人はいない。
「ん?」
「なんで俺を推薦したんだよ!」
いつもより声に熱があるのを感じる。
「ちょっと来い!」
僕はそのまま彼に手を引っ張られ教室をあとにしたのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます