第28話


 とりあえず5000ポイント稼いだところで、俺たちは拠点へと戻ることにした。

 ……結構距離あるな。

 途中に、休憩所みたいなのを造るのもいいかもしれないな。木さえあれば、家をすぐに建てられるからな。


 仮拠点、みたいなのを検討していると、拠点にたどり着いた。

 ロックストーンとウッドヒュードはどこも食べられる場所がなかったので、途中でファングシープを倒し肉を回収しておいた。

 夕食の準備をするため、ゴブリンにメニンジンとジャガンモを収穫してもらう。


 ……そろそろ、鍋でも作るか。

 ストーンロックを何体か倒したが、そのすべてが体内にアイアン魔鉱石を持っていた。

 とにかく今は、アイアン魔鉱石に余裕がある。今のうちに、生活必需品の鍋を造っておこうと思った。


 鍛冶術で鍋や包丁を造る。それらをしまっておくための木箱も作成しておいた。

 まな板も一緒に用意して、ゴブリンへと視線を向ける。


「ゴブリン、メニンジンとジャガンモを食べやすいサイズにきれるか?」

「ゴブ!」


 とりあえず、最初に俺がお手本を見せてから、ゴブリンに調理をお願いした。

 ゴブリンは大丈夫そうだな。


 初めの賢さならまずできなかっただろうが今は問題なくできている。

 だから俺も自分の仕事に専念することにした。

 そろそろ、牛牙剣とはお別れだ。

 

 俺はファングシープの牙を組み合わせ、新しい剣を作製するつもりだ。

 牛牙剣、これまでありがとう。

 牛牙剣をもとに、ファングシープの牙を組み合わせる。

 

 そうして、鍛冶術を発動する。

 ……その結果、出来上がったのは――羊牙剣だ。

 

 羊牙剣 耐久値 400/400


 スキルが付与できる個数は一つか。

 ついでに付与魔法も行おうか。


 候補として出てきたのは3つだ。


 力強化 レベル2

 破壊術 レベル2

 貫通術 レベル2


 ……付与魔法がレベル2になったからか、すべてレベル2で付与できるようだな。

 力強化はないな。

 破壊術、貫通術はなんだろうか? 鑑定で調べてみよう。


 破壊術

 魔物を殴った場合に威力がアップする。


 貫通術

 魔物への刺突によって威力がアップする。


 ……なるほどな。突くか、殴るか……か。

 破壊術のほうが良さそうな気がする。

 というのも、刺突は危険が多い。その一撃で仕留められないと魔物の体に剣が突き刺さったままになってしまうからだ。


 俺は破壊術を付与して、新しい羊牙剣を腰に差した。これから、頼むぞ。

 ゴブリンがまな板にメニンジンとジャガンモを切り揃えて並べていた。

 

「それじゃあそれを鍋に入れて……水を用意してと」


 それらを鍋に入れ、水を入れる。一緒に肉も放り込み、塩で味を調える。

 スープを作るつもりだ。味は分からないが、肉が頑張ってくれるだろう。

 たき火の上に鍋を置き、


「それじゃあゴブリン。鍋を見張っておいてくれ」

「……ゴブ!」


 ゴブリンにその番を任せた俺は、次にガチャを回す準備をした。

 現状のスキルを強化をしたかったからな。

 ……頼むぞ、いいスキル来いよ。


 俺はいつものごとく神様に一度祈ってから、ガチャを回す。

 もちろん、回すガチャは十一回ガチャだ。

 宝箱の演出は……金色だ。


 まあ、これなら虹色は1つだろう。

 他のスキルが色々手に入るため、悪くはない。


 宝箱から四種の玉が出てくる。

 銅色5つ、銀色2つ、金色3つ、虹色1つ、か。


 ……うん、まあハズレのほうか。

 それでもレベルアップしてくれるかもしれないからな。期待しておこう。

 まずは銅色からだ。


 力強化 レベル1

 器用強化 レベル1

 器用強化 レベル1

 俊敏強化 レベル1

 魔力強化 レベル1


 ……よし、次行こうか!

 次は銀色だ。


 採掘術 レベル1 

 仕立て術 レベル1


 ……採掘術はこれまで一度も使っていないんだよな。

 それとも実はロックストーン相手に発動していたのだろうか?

 仕立て術はいいな。着心地の良い服に悪いことはないからな。


 とはいえ、ここまでの結果はそこまで良くない。

 次の金色から巻き返してほしいところだ。


 土魔法 レベル1

 火魔法 レベル1

 火魔法 レベル1


 珍しいスキルはなかったかぁ。

 スキル自体は悪くないんだけどな。


 最後は虹色だが……まあどれがでてもといったところだ。

 もちろんレベルアップは嬉しいが、ピックアップのうちのどれかが出るのは分かっているからな。

 しいてあげるなら、魔物指南が欲しいな。よりゴブリンとウルフを鍛えてやりたい。


 魔物使役 レベル1


 魔物使役……まあ、レベルアップするしな。より仲間にしやすくなるかもしれない。

 ゴブリンとウルフを仲間にするのも結構大変だった。

 そう考えると悪くないな。

 

 ……と前向きに考えたが、今回のガチャは失敗だ。

 ま、まあこれまで運が良かったんだからたまにはこういう日があっても仕方ない。


 引きずってはいられないぞ。頑張れ俺っ。

 スキルレベルを強化し、ステータスを確認する。

 ゴブリンとウルフも随分と成長しているな……。


 名無し(ゴブリン)

 主:クレスト

 

 力110

 耐久力95

 器用27

 俊敏83

 魔力12

 賢さ33


 名無し(ウルフ)

 主:クレスト

 

 力90

 耐久力72

 器用50

 俊敏110

 魔力17

 賢さ61


 クレスト


 力145(+7)

 耐久力132(+5)

 器用113(+4)

 俊敏137(+5)

 魔力180(+7)


 ……ゴブリンのもっとも優秀な力と、ウルフのもっとも優秀な俊敏が俺の一番低いステータスに近い数字になってきた。

 本当に、俺より強くなるのは近いのかもしれない。

 次に俺はスキルを確認しようとしたところで、ゴブリンが呼びかけてきた。


「ゴブ!」


 鍋がぐつぐつと煮えてきたようだ。

 俺は鍋を掴み火から離した。特に置く場所は決めていなかったので、そのまま地面に置いた。

 たき火に次はフライパンをしき、肉を焼いていく。


 そうしながら、俺は木のスプーンを造り、鍋からすくって手元の木皿に入れていく。

 ゴブリンにそれを渡し、俺も自分の分を造る。

 ……ウルフも食べたいようなので、ウルフが食べやすいサイズの皿を造り、スープをよそった。


「みんな熱いから気をつけろよ」

「ゴブ!?」


 ゴブリンは俺が言う前に口をつけ、目に涙をためていた。

 言わんこっちゃない。

 そのあたりウルフはさすがに賢い。これが賢さの差か……。


 俺も冷ましながらスープをまずはすする。

 ……う、うまい!? 想像以上に肉のダシが出てくれている。ただ、色々と足りない部分がある……うーん、やはりスープを作るにはもう少し調味料が欲しいな。

 それでもうまいことには変わりない。肉、メニンジン、ジャガンモを口に運び食べていく。


 ……ああ、メニンジンは本当に甘い、ジャガンモもおいしいっ。

 そしてやっぱり締めは肉だ。ファングシープの肉も頬がとろけるほどにうまい。

 フライパンで焼き終わったステーキもみんなで分けて食べた。


 ……はぁ、うまかった。

 新しい魔物は食べられる部位がなかったから残念だが、次の魔物には期待したいな。

 そんなことを考えながら、俺はスキルを確認してから、その日は眠りについた。


 力強化 レベル5(あと4つでレベルアップ)

 耐久力強化 レベル4

 器用強化 レベル4(あと3つでレベルアップ)

 俊敏強化 レベル4(あと3つでレベルアップ)

 魔力強化 レベル4(あと2つでレベルアップ)


 剣術 レベル3(あと2つでレベルアップ)

 短剣術 レベル2(あと1つでレベルアップ)

 槍術 レベル2

 採掘術 レベル2

 釣り術 レベル2

 開墾術 レベル2

 格闘術 レベル2

 鍛冶術 レベル2

 料理術 レベル2

 仕立て術 レベル2

 飼育術 レベル1

 地図化術 レベル2

 採取術 レベル1

 感知術 レベル2

 建築術 レベル1

 魔物進化術 レベル1


 土魔法 レベル3(あと1つでレベルアップ)

 火魔法 レベル4

 水魔法 レベル3(あと2つでレベルアップ)

 風魔法 レベル3

 光魔法 レベル2

 付与魔法 レベル2


 鑑定 レベル3(MAX)

 栽培 レベル3(MAX)

 薬師 レベル3(MAX)

 召喚士 レベル1

 魔物指南 レベル2

 魔物使役 レベル2


 余りスキル

 薬師 レベル1

 鑑定 レベル1


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