第26話
三日ほどウルフ、ゴブリンの鍛錬に時間をかけた。
……まあ、実際は雨が降って、しばらく道がぬかるんでしまったので、無理に外に出なかったというべきか。
やはり、一度雨が降ると二、三日は足元が不安定になるようだ。
……四月に雨が降らなくてよかったよ、本当にな。
雨が降っていたが、俺は余っていた木材を使って簡易的な屋根を造り、その下で訓練を行っていた。
そのおかげもあって、ウルフとゴブリンははめきめきと力をあげていった。
まずは、二体のステータスを確認しようか。
犬小屋で寝ているウルフを見る。俺が作ったクッションの上に乗るように体を丸め、眠っていた。
まだ目をとじ、気持ちよさそうな寝顔である。そんなウルフのステータスを確認する。
名無し(ウルフ)
主:クレスト
力78
耐久力68
器用45
俊敏100
魔力15
賢さ55
ウルフはもうこの辺りの魔物なら問題なく狩れるくらいだ。
ウルフ一体で無理でも、ゴブリンがいればどうにでもなる。
……とにかく優秀に育ってくれて助かった。
餌なども自分で取れるようになったので、食事に関しても問題ない。ま、俺が魔物を倒したときとかは持ち帰るようにしているけどな。
俺がしばらく眺めていると、ウルフが目をあけ、体を起こした。それから尻尾を振るようにして、こちらへとやってくる。
ウルフは顎の下を撫でられるのが好きなようだ。俺が何度か撫でると尻尾がさらに嬉しそうに左右に揺れた。
モフモフで気持ちいい。俺はウルフに顔を押し付け、しばらくそのモフモフを堪能した。
頭を最後に一度撫でてから、俺はゴブリンの家に向かう。
ゴブリンの家に入る。鍵というか、かんぬきも一緒に作ったのだが、ゴブリンは使っていない。
使えるだけの賢さはあるのだが、まあ別にここで鍵をしないで襲われるという危険は……そんなにはないはずだ。
それでも、俺としては一応しておいてほしいんだがな。ミツベアーとかが襲ってこないとも限らないからな。
ゴブリンの家は……色々お宝がおかれている。
ゴブリンにとってのお宝だ。じゃらじゃらと俺の作った木箱に魔石をしまっている。
他にも、途中で拾ったのか棍棒などが部屋に飾られている。
……随分と家を楽しんでいるようだ。そのゴブリンは気持ちよさそうな寝顔でベッドに横になっていた。
「ワオー!」
一番最初にウルフが起きた時は、いつもこの雄たけびをあげる。
それにびくんっとゴブリンが起き上がる。こちらに気づいたゴブリンは俺が作った簡素な服に袖を通す。
そんなゴブリンのステータスを確認する。
名無し(ゴブリン)
主:クレスト
力98
耐久力87
器用24
俊敏77
魔力10
賢さ30
準備を終えたゴブリンは、背中にハンマーを背負いびしっと俺の前に立った。
「そんな肩張らなくて大丈夫だ。朝食を食べたあと、森の捜索に向かおうと思っている。手伝ってくれるか?」
「ゴブ!」
「がるるっ」
二体とも頷いたので、俺たちは外にでて朝食を食べる。
食べながら、俺も自分のステータスとスキルを確認しておく。
……ウルフたちとの訓練で、俺も随分とステータスがあがったんだよな。
力140(+7)
耐久力129(+5)
器用111(+3)
俊敏133(+5)
魔力175(+7)
力強化 レベル5
耐久力強化 レベル4
器用強化 レベル3(あと1つでレベルアップ)
俊敏強化 レベル4
魔力強化 レベル4(あと3つでレベルアップ)
剣術 レベル3(あと2つでレベルアップ)
短剣術 レベル2(あと1つでレベルアップ)
槍術 レベル2
採掘術 レベル1
釣り術 レベル2
開墾術 レベル2
格闘術 レベル2
鍛冶術 レベル2
料理術 レベル2
仕立て術 レベル1
飼育術 レベル1
地図化術 レベル2
採取術 レベル1
感知術 レベル2
建築術 レベル1
魔物進化術 レベル1
土魔法 レベル3(あと2つでレベルアップ)
火魔法 レベル3(あと2つでレベルアップ)
水魔法 レベル3(あと2つでレベルアップ)
風魔法 レベル3
光魔法 レベル2
付与魔法 レベル2
鑑定 レベル3(MAX)
栽培 レベル3(MAX)
薬師 レベル3(MAX)
召喚士 レベル1
魔物指南 レベル2
魔物使役 レベル1
余りスキル
薬師 レベル1
鑑定 レベル1
俺のステータスもだいぶ優秀になってきた。
朝食の後、軽く口内を磨いて、顔を洗ってから俺は森へと向かう。
「ゴブリン、ウルフ……これからミツベアーと戦ってもらう。一応俺も見守っているが、ゴブリンとウルフで戦えるかどうかの確認だ」
「……ゴブ!」
「がるる……」
二体とも、少し緊張した様子だった。
たぶん、大丈夫なんじゃないか? とも思っている。
ミツベアーと初めて戦った時の俺のステータスがちょうどゴブリン、ウルフより少し低いくらいだったはずだ。
俺の場合はスキルの補正もあるとはいえ、そのかわり今回はゴブリン、ウルフの二体で挑んでもらうわけだからな。
感知術を発動し、移動していく。
しばらく移動していくと、ミツベアーを発見できた。
俺たちは息をひそめてそちらを伺う。それから、ゴブリンとウルフに視線を向ける。
「それじゃあ、好きなタイミングで挑んでくれ」
俺が言うと、ゴブリンがウルフの上に乗った。
そうして、ウルフが駆けだした。
ゴブリンはハンマーを構え、一気にミツベアーへと迫る。ミツベアーが遅れて気づいた。そこで、ゴブリンがハンマーを振り回した。
一撃がミツベアーの足を捕らえた。
ミツベアーが膝から崩れ落ちた。……骨を砕いたか? まあ、無理もない。俺が作ったハンマーだし、ゴブリンは力は本当に強いからな。
一撃で、ミツベアーの機動力を奪った。
それでもミツベアーも魔物としての意地があるようだった。体を起こし、鋭い爪を振り下ろした。
だが、ウルフには当たらない。ウルフが腕に噛みつき、怯んだところでゴブリンが頭を潰した。
ミツベアーはもう動かない。
……こ、この二体。想像以上に強くなっているかもしれない。
俺はまだ十分対応できたが、結構前まで苦戦していたミツベアーがこうもあっさり倒せるようになるとは。
二体の成長っぷりが恐ろしい。
……もしも主よりも強くなったらどうなる? 無理やり従わせることもできるようだが、それでは慕ってはくれないだろう。
い、今くらいの力の差を維持しておいたほうが良さそうだ。
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