第16話


 ……今どんなスキルが欲しいかな。

 今の俺の生活でまだ全くといっていいほどダメなのは、やはり住むところだ。

 この辺りを補えるスキルが出てくれればいいんだがな。


 それを狙うなら、建築系スキルだ。

 つまり、銀色の玉で恐らく出ると思われる部分だ。

 ……だから、銀色が多いことをまずは祈る。

 

 もちろん、虹色の玉も欲しいが、虹色の玉が出すぎて最高レアリティがかぶりばかりになるというのも嫌だからな。

 とにかく神様に祈っておく。もう一生のお願いを毎度使うようなそんな気分だ。


 しきりに祈ったところで、俺はガチャを回す。

 宝箱は金色に輝く。

 ……これなら虹色は恐らく一個だろう。と思っていたら、宝箱は開かない。


 な、なんだ? と思っていた金色から虹色に変化した。

 な、なんだこれは!? それから、宝箱から玉が出現した。


 銅色4つ、銀色3つ、金色2つ、虹色2つ……。

 ……今の演出はなんだ? 金色から虹色に昇格……したのだろうか?

 昇格演出、といったところか? いや……虹色はそんなに期待していないんだよな。


 ま、まあいい。贅沢な悩みなんだからな。

 とりあえずは、銅色から確認だ。


 器用強化 レベル1

 耐久力強化 レベル1

 魔力強化 レベル1

 力強化 レベル1


 ……まあ、この辺りはいつもの通りだな。

 レベル100になれば100%アップするかもしれないので、大器晩成型のスキルたちだ。

 今後の成長に期待しておこう。


 次は銀色だな。

 ここが個人的に期待の強いレアリティ……頼む!


 槍術 レベル1

 感知術 レベル1

 料理術 レベル1


 槍術……は剣術の槍バージョンか。現状使い道はないな。

 感知術、というのはなんだろうか? 分からないときは鑑定に聞いてみないとな。


 感知術

 周囲の生体反応を感知する。


 ……なるほど。敵の居場所がわかるということか。

 試しに発動してみる。……この辺りに近づいている魔物はいないようだな。

 地図化術と組み合わせてみると、魔物の位置が地図に表示されるようだ。


 それで分かったが、現在の俺の感知術ではあまり範囲は広くないようだ。

 過信しすぎてはいけないな。

 ただ、便利なスキルであることに変わりはない。今後は魔物の探索をするときに時間的節約ができるかもしれない。


 スキルの確認をしたところで、次の金色の玉へと移る。

 金色の玉のスキルは2つ。

 昨日みたいに新しい魔法が手に入ってくれればうれしいが……。


 風魔法 レベル1

 光魔法 レベル1


 おお、光魔法は初めてだな。

 悪くないスキルだ。これまでは明かりを確保するには火魔法しか手段がなかったが、これからは光魔法で安全に確保できる。

 ……火魔法だと、森に燃え移る危険とかあるからな。


 万が一火事になんてなったら、誰も止めることはできないだろう。

 そして最後は虹色だ。

 2つの虹色の玉からスキルが出てきた。


 栽培 レベル1

 薬師 レベル1


 ほっ。鑑定じゃなくて助かった。それとも、もう鑑定は出ないのだろうか?

 それなら嬉しいんだがな。

 そんなことを思いながら、俺は自分のスキルを強化していく。


 まずは今日一日の成果だな。

 基本ステータスを確かめる。


 力77(+3)

 耐久力68(+1)

 器用60(+1)

 俊敏77(+2)

 魔力82(+2)


 基本ステータスは、ミツベアーとの戦いもあったからか思っていたよりも上がっていた。

 特に魔力は、斬撃術でも使用するからか随分とあがった。

 あとは、耐久力だな。これまではほとんど攻撃を受けなかったが、ミツベアーの重い一撃をもらってしまった。


 耐久力があがれば、今度の戦いで死ぬような攻撃を受けなくて済むのかもしれないが……。

 これが高くなればなるほど、頑丈ではあるがそれだけ攻撃を食らったという証でもある。

 ……まあ、死なない範囲で強化していきたいな。


 次にスキルを確認していく。


 力強化 レベル4(あと3つでレベルアップ)

 魔力強化 レベル3

 俊敏強化 レベル3

 器用強化 レベル2(あと1つでレベルアップ)

 耐久力強化 レベル2(あと1つでレベルアップ)


 剣術 レベル3

 短剣術 レベル2

 槍術 レベル1

 採掘術 レベル1

 釣り術 レベル2

 開墾術 レベル1

 格闘術 レベル1

 鍛冶術 レベル1

 料理術 レベル2

 仕立て術 レベル1

 飼育術 レベル1

 地図化術 レベル1

 採取術 レベル1

 感知術 レベル1


 土魔法 レベル3

 火魔法 レベル2

 水魔法 レベル2

 風魔法 レベル2(あと1つでレベルアップ)

 光魔法 レベル1

 付与魔法 レベル1


 鑑定 レベル3(MAX)

 栽培 レベル2(あと1つでレベルアップ)

 薬師 レベル3(MAX)


 今回のガチャによって、魔力強化、料理術、薬師が新しくレベルアップした。

 基本ステータスは多少あがったが、まあまだ微々たるものだ。

 

 一番うれしかったのは料理術だな。この下界での唯一の楽しみはこの料理だからな。

 料理がなかったら俺はとっくに生きる意味を見失っていたかもしれない。

 今は、とにかくうまい素材を見つけ、それを食べることが生きがいだった。


 だから、料理術のレベルアップは非常に嬉しい。

 ……次に嬉しかったのは、薬師だな。

 薬師のレベルもとうとうマックスになった。このことから、恐らく虹色の玉から出るスキルに関してはレベル3がマックスということでほぼ確定でいいだろう。


 ……あと、栽培が1つだな。もしも、優しいガチャなら次のガチャで揃うことになるかもしれない。

 ……ただ、現状発見できている魔物はミツベアーだけだからな。他の魔物を探さないと、楽にポイント稼ぎはできないかもしれない。


 俺は早速光魔法を使用する。

 ……片手に小さな光が浮かんだ。思っていたよりも明るくない。

 まだレベル1だからだろうな。他の魔法だって、最初はまったくもって使いにくかったからな。


 ただ、俺の小さな部屋に光を用意できるようになった。

 ……さすがに密室に近いここで火を使うわけにはいかなかったからな。


 ごろんと横になり、土魔法で入り口のほとんどを隠してから考える。

 明日はどうしようかな……。

 今度は西側の探索をしようか? それか、ミツベアー狩りでも行うか?

 色々考えながら、眠りについた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る