第6話 伊月の想い(1)

 何回かかけてみたけれど。


「つながらない」


 そりゃそうか、私、嫌われてるみたいだし。


「きっと、何かの用事があって出れないんじゃないかな」


 なんてりんは慰めてくれたけど、そうじゃないんだろうな、ってことくらいわかる。


 浮かない顔の私を見て、りんは私の手を握ってこう言った。


「じゃあ、私が言っておいてあげる」


「ほんと!?」


「もちろん」


 りんはやさしいなぁ。


 できることなら自分から誘いたかったけど、ここはりんに頼むしかない!


「後でりんの大好きなクレープおごるね!」


「ふふっ。楽しみにしとく」

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