エピローグ
……翌朝。
『『うわああぁぁぁぁぁ!』』
一人の男子生徒と一人の女子生徒が、ベッドの上でもだえ叫ぶ。
幼なじみゆえ、会いたくなくても顔を合わす二人。
開口一番。
「……お、おはよう。珠美」
「そ、蒼流! あ、あんたぁ! せ、責任取りなさいよぉ!!」
「お、俺も男だ! 責任は取る! ずっと、珠美のそばにいるぜ!」
「う、うん……わかった」
ちなみに前田の責任の取り方とは……。
「これならずっと珠美のそばにいられるな」
前田は生徒会副会長の椅子の上で、満面の笑みを浮かべていた。
「前田君、生徒会室では私のことを会長と呼んで下さい。あと、あの三人は?」
神沢はドアの横でパイプ椅子に座る後藤、右門、左京山に向けてジト眼を向けていた。
「ああ、こいつらも生徒会の役職に志願したんだ。後藤はタイピングが早いから書記に向いているし、右門は金勘定が得意だから会計に、左京山は庶務として、活動の傍ら三味線の余興をやりたいんだとよ」
「それはわかりますしむしろ歓迎しますが……。前田君、壁に立てかけてあるモップやデッキブラシ、ホウキにちりとりに鍋に牛乳箱は?」
「どうせなら
「なに勝手に居座っているのよ!」
「そうだ! 副会長として会議の議題を提案する。議題はわがソウル・バンド部のバンド名だ! 知的でクールでソウルなバンド名を募集するぜ!」
「いい加減にしなさい!!」
神沢の怒号に他の女子役員は……。
「これでいいのかね?」
「いいんじゃない?」
「収まるところに収まったということで」
「だいたい蒼流っていっっっつも一人で勝手に決めてぇ~! この前の遊園地だって、あれほどいやだって言ったのにお化け屋敷に無理矢理ぃ~~!」
((((((はいはいごちそうさまごちそうさま))))))
六重奏の魂のツッコミが、生徒会室に響いたのであった……。
我ら! 栄光のソウル・バンド同好会!! 宇枝一夫 @kazuoueda
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