第4話 4月13日 後編

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《職員室》


「一緒に軽音やりませんか!!!!」


 こんな台詞、漫画やアニメの中でしか聞けない台詞だと思っていた。いや、メタ発言するとこれも創作の類いなんだけどね?

 いきなり声をかけられ、口から出た俺の言葉がこれ↓


「…どちらさまですか?」


 はい、重要項目ですね!『俺の肩を掴んでいる目の前のこの子は一体誰なのか』、初対面の相手に話しかけられ、緊張している状態でも大事なことを第一に質問できる俺、ナイス。


「あ、突然ごめんなさい!あの、私、『佐上さがみ莉歩りほ』と言います!話し聞こえてたんですけど、入る部活、まだ決まってないんですよね!」


 そんな大きい声で話してたっけなぁ、


「えっと…、はい。まだ決まってないですけど」


「だったら、わたしと一緒に軽音やりませんか!」


 うん、振り出しに戻りましたね。ちなみに俺は楽器の類いは一切出来ない。リコーダーすら必ず音がひっくり返る。そもそも軽音というのが何をするのかザックリとしか知らない。あれでしょ?『けい○ん!』でしょ?


「いや、俺楽器とか出来ないんで無理です」


「大丈夫ですよ!誰でも初めは出来ませんって!それに弾き方とかは私が教えます!だから一緒にやりましょ?ね!」


 うぅ、上目使いは卑怯だ…

 それにこの子、この前教務の先生と話してた子だよな。まじかで見るとめちゃくちゃ可愛いぞ。どうする、承諾するか、断るか。どうすればいい!?


 考えて結果、俺が下した決断は───


「………入ります、軽音部」


 これまでまともに妹以外の女の子と喋ったことのない俺には、目の前の女の子の誘いを断ることなど出来るはずもなかった。


「ほんとですか!ありがとうございます!!」


 めちゃくちゃ笑顔じゃん、決断した甲斐あるわー

 なんだよ、先生。そんな顔で見るなよ。俺だって一応男なんだぞ。

 しかし、軽音部か…。今のうちに情報収集でもしておくかな。


「えっと、佐上?さん?軽音部って何人ぐらい入ってるんですか?」


「………。」ギク


 ん?なんか佐上さん固まっちゃったけど、もしや名前間違えた?そんなはずはない。俺と言えど、ついさっき聞いたばかりの名前を間違えるはずがない!


「あのー、佐上さん?」


「じ、実はですね…。非常に言いにくいのですが…」


 なんだ?なんか雲行きがあやしい方に流れ始めたぞ。なんだか嫌な予感がしてきた、。


「け、軽音部はほんとはまだ出来てないというか…」


 想像以上に悪い結果でしたね。はい。

 軽音部が出来てないのに勧誘するってどういうこっちゃ。

 思わず俺も固まってしまう。ついでに先生も固まってしまう。


「でも大丈夫です!!この学校の校則には2人以上で『』、5人以上で『』を設立することができる、とあります!」


「は、はぁ…」


 おっと、思わず変な相づちを打ってしまった。


「ですから!まずは私とあなたで『』を作りましょう!」


「ナルホド、ワカリマシター」


 わからないだろうが、勢いがすごいんだ。実際俺の目には彼女の行動や言動の1つ1つに効果音が見えるんだ。何をいってるかわからないと思うが、実際には俺自身もよく分からない。


「では改めて!1年2ホームの佐上莉歩です!今日からよろしくお願いします!」


「えと、1年4ホームの河村未来です。よろしくお願いします…?佐上さん」


 おぉー!!なんか高校生っぽいぞ!俺にはこんな高校生っぽいイベント起こるはずないと思っていたが!人生捨てたもんじゃないな!


「うん!河村くん、4ホームなんだ!ちょっと教室離れてるねー。これからは敬語なんていらないから気軽にいこうね!」


「わかった、佐上さん」


「……じゃあまたね!」


 佐上はそのまま職員室から出ていき、俺は先生に登録用紙をその場で書き、提出した。


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《家》

 1日が終わり家に帰ってきました。今ベッドの上で枕を抱き締めて暴れております!女の子と話すってなんか良いね、形容し難いけど今ものすごく胸がワクワクしているのですよ、俺は!ベッドの上でクロールしちゃえるぐらいテンション上がっております。はい!


「おい未来!ドタドタうるせーぞ」ドア ガチャ


「あ、」



《詳細設定》

 佐上さがみ莉歩りほ

 ・身長 153cm , 体重 ??kg , 好きな食べ物はメロンパン

 ・1年2ホーム , 出席番号18番













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