1-13 コスプレ・リリィ

 俺と文太郎は、コスプレしている幸果と智奈を、カメラで撮り始める。

 幸果が恥ずかしがりながら引きつった笑顔でピースしたり、ノリノリの笑顔でウインク舌出しダブルピースする智奈、両手を繋いで身体を向かい合わせて顔をカメラの方に向かせて、思い切りツンとした表情をする幸果と、天使のような満面の笑顔を見せる智奈。素敵な写真をたくさん撮りまくった。


 パシャッ、パシャッ、パシャッ、パシャッ。


「幸果殿の慣れてないながらも頑張って決めている表情やポーズ、智奈殿のアイドル顔負けの可愛さ、美しさ、そして自信たっぷりのお姿! 二人とも、とっても素敵ですぞっ!」

「くっ! 俺が言おうとしたことを文太郎に先に言われたっ……不覚っ!」

 俺と文太郎は幸果と智奈を褒める。


「も、もうっ! イヤイヤやってやってんだからっ!

 こんな恥ずかしいことさせるなんて、この撮影が終わったら二人ともぶっとばしてやるんだからっ!!」

「うふふ♪ 素敵な写真をたくさんありがとうございます♪

 智奈、そして幸果さんもとっても嬉しいですよっ♪」

「とっ、智奈! 私は嬉しくなんかないからっ!!」

「幸果さん、本当に嫌だったら、撮影されるまでもなく頼人様と文太郎様を懲らしめているでしょう?

 幸果さんも、頼人様や文太郎様を喜ばせたいのではないのですか♪」

「そ、そんなこと……あうぅ……」

「恥ずかしがってる幸果さん、とっても可愛いですよっ♡」

 智奈が嬉しそうに、恥ずかしがってる幸果の顔を近い距離で覗き込んでいる。

 おおおおお!! 幸果と智奈の顔の距離が近い!! 恥ずかしがって上目遣いになっている幸果と、からかうような笑顔の智奈が見つめ合っている!! 身体も密着させて幸果と智奈の胸がむにゅんと合わさっている!! これは文太郎よりも先に俺が撮るッ!!

「文太郎どきやがれ!! 俺が撮らねば誰が撮るッ!!」

「頼人には譲れないでござるっ! ここで撮らずにいつ撮るというのだッ!!」

 俺と文太郎はぶつかり合いながらカメラのシャッターを切りまくる。


 パシャパシャパシャパシャパシャパシャ……!!



「智奈……♡」「幸果さん……♡」

 幸果と智奈は、俺達に目もくれず、女の子同士なのに愛し合っている恋人のように見つめ合い、顔を徐々に近づける。

 ま、まさか、マジで、き、キスを、してしまうのかっ!?

 さっきまで撮りまくっていたのを止めて、俺と文太郎は壁になったように、幸果と智奈を見守る。

 ああ、幸果と智奈。尊い、尊過ぎる--


「--っ!! これだけはアンタらに見せたくないわっ! このキモオタ豚野郎どもっ!! 見んじゃねーっ!!」

「「ぐおおおおお!?!? ざんねえええええん!!!!」」

 突然、幸果がこちらを向き、俺と文太郎をまとめて回し蹴りでぶっとばした。

 俺達は部屋の壁に叩きつけられて、顔面まで潰されて気絶してしまい、カメラもガシャンと落としてしまった。

 まさに壁になったような気分だが、壁と顔面が合わさってしまっては何も見えない。

 ああ、幸果と智奈の熱愛シーン、是非ともこの目でしかと見ておきたかった……



「……さあ、智奈。キモい男どもは見てないし、続き……する?」

「頼人様と文太郎様に見られるのは、流石に恥ずかしかったですか? 智奈はそれも良かったのですが、幸果さんと智奈はいつも・・・こうしてるのに……

 では幸果さんの望むように、続きをしましょう♪

 幸果さん……いえ、幸果様っ♡」

「幸果様って、いちいち恥ずかしいわよっ……んーー……♡」

「んっ……♡」



「「……ちゅっ♡ ちゅるるっ♪ はむっ、ちゅぷぷっ♡」」



「ちゅっ、智奈……♡」

「ちゅるるっ、幸果様っ……♡」


「ひゃー♪ さっちゃんとともちゃんすご〜いっ♡ 男の子とか入る余地ないね〜っ♡」

「幸果と智奈よー、それを男どもに見せつけて萎えさせてやった方が面白れーんじゃねーのかァ♪」



 俺と文太郎は未だ壁に張り付いている。

 とても尊い光景が広がっている気がするが、今は意識が朦朧としていてそれどころではない。

 ここで生きて起きられても、この後、俺と文太郎は幸果の男殺しの奥義のコンボを喰らいまくるチキンレースをしなければならない。俺達は生き延びられるのだろうか……


※後書き※

 申し訳ありません。時間が迫り、少ない文字数で投稿してしまいました。

 後ほど大幅に加筆修正すると思います。

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