第2話 あいつのモテ度 陸sibe
「あなたが好きです。」
今の状況についていけていない。この告白を受けているのは、俺じゃない。だからついていけていないんだ。…どうして鈴茄が告白されているんだ。
俺は、卯荻陸。生徒会長だ。俺には好きなやつがいる。それは、副会長の旭田鈴茄。ひと目ぼれだった。あいつが入学してきて生徒会に入ってきた。一年生から生徒会に入るのは、俺とあいつ以外に見たこともないと周りが騒いでいた。最初は興味がなかった。けど、生徒会で真剣に仕事をしている姿を見てこんな人間がいるんだと思った。今思えばあの時から好きだったんっだと思う。
そいつは、とっても綺麗な顔立ちをしていた。もちろんモテていて俺は、周りの男が近づかないようにしていたんだけど、流石に鈴茄のことが好きなやつが減るわけじゃない。どうしようか迷っていた時の告白だ。
「ごめんなさい。私、好きな人がいるから。」
ものすごくびっくりした。好きな人が…いたのか。そんな素振り見せなかったのに…。混乱して頭がくらくらしてきた。いることはある程度予想していたが、本人から言われると、何も言えなくなる。
「えっ!り、陸いたの!」
こっちに気付いたみたいで、俺の方に来た。いつもならからかうけど、そんな余裕、今はなかった。
「よく、告られんの?」
出てきたのはそんな言葉。聞きたくないはずなのに出てきた。
「えっ、あっ、よく、か分かんないけど、一年生の時に百人くらいで、最近は一週間に三人くらいかな。」
「モテてるって自覚ある?」
「え、一日に一、二回告白されている人のことをモテてるっていうんじゃないの?」
鈍感なところも好きだけど、モテてるって気付いてほしい。
「それに、告白されたい人はもう決まっているから。」
もう、何も言わないでほしい。
「そっ。……頑張れよ。」
もう…諦めないと…いけないのか…
「陸、具合でも悪いの?保健室に行った方が、あっ!…べ、別に気になるわけじゃないから。そ、そんな風になってたら、だ、誰だってそう言うでしょ。な、なにか悪い!」
…無理だ。鈴茄を好きにならないなんて。不器用でとっても優しくて、可愛い。こんな人は鈴茄以外誰もいない。迷惑かもしれないけど、伝えよう。好きだって。
「なぁ、今週の日曜日空いてるか?」
「空いてるけど。」
「ちょっとしたいことがあるから、空けといて。俺が鈴茄んち迎えに行く。」
「べ、別に空けといてあげなくもないけど。」
「ふっ、サンキュ。」
今言うよりもちゃんと言う時に言おう。行く場所も決めとかないと。
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