第2話 堕
目が覚めた。ここは·····どこだ?さっきまでと同じ様な景色だが何かがおかしい。客が一人もいない。代わりにあの女だけが不敵な笑みを浮かべながら一人立っている。
「おはようございます。」
「おい、ここはどこなんだ。さっきまでにぎやかだったのにこのザマだ。」
女は一瞬驚いたような顔をしたがまた笑った。
「さすがお察しが早いですね。星光 夏様。」
「なぜ俺の名を知っている。俺はお前に名乗った覚えはない。」
確かに俺は星光夏だ。だが俺の本名を知っているやつは仲が親しいやつだけだ。他人は信用しないようにしているからな。
「前言撤回です。やはりあなたは察しが悪い。一から説明して差し上げましょう。」
こいつ·····!俺にこんなこと言うやつはお前だけだぞ。
「よく聞いてください。あなたはここ、ハスリア国という国へやってきました。というより、私が連れて参りました。そしてこのハスリア国は地球でもありません。まず銀河系が違います。地球からざっと七千光年は離れています。ですから、あなたには任務を遂行していただくまでおかえり頂けません。」
あの一瞬でこいつはそんなとこまで運んできたのか?そんなことが可能なのか??こいつはあれじゃないのか、厨二病だろ。
「ちなみに私は人の心を読むという能力を持っております。ですのでお答えしますが私は厨二病ではありません。これは現実ですので。ここに連れてくるのは私のような案内人のみ可能です。この国の一般民の者にはできませんのでご了承ください。」
「ちっ、わかったよ。さっさと続き話せ。その任務とやらを俺がパパッと終わらしてやる。」
「話がわかる人で良かったです。では。あなたはまず今までの人生をやらかしてしまいました。おかげであなたは沢山恨まれているのです。ですからあなたには人生を一からやり直してもらいます。任務は民と仲を深め普通に暮らすことです。私たち案内人であなたが任務を遂行することが出来たと決断したらあなたをまたあの世界へ連れ戻しますのでご安心を。」
·····は?
世界は僕中心に回っていない @YUKALI
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