プチプチ
薫風ひーろ
第1話
プチプチプチプチプチプチプチプチ
プチプチプチプチプチプチ。
・・・・
プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチ
プチプチプチプチプチプチ。
・・・・
プチプチプチプチプチプチプチプチプチプッ
リプリプリプリプリプリプリプリプリプリ
プリプリプリプリ。
プリプリプリプリプリプリプリプリプリ
プリプリプリプリプリプリプリプリプリ
プリプリプリプリプリプリプリプリプリ?
「あっ、もう!」
「はあ、これで何回目よ!馬鹿あたしっ」
プリをdelete。
プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチ
プチプチプチプチプチプチプチプチ
プチプチプチプチプチプチプチプチ
tull tull tull tull
「はい」
「こっちは準備完了したぞ。いつでもOKだ。
そっちはどうなんだ」
「あ、はい。すみません、もう少し時間ください。まだ、確認できてないんです」
「なにぃ!今まで何やってたんだ!
だめだだめだ。これ以上は待てない」
「えー、そんな事言われても」
「お前なあ、俺の身にもなれってゆうの。早くこの状態から抜けたいだろ。何ならお前がこっちに来るか?」
「あっ、それは嫌です」
「だったら、その作業数秒で終わらせろ」
「えー、むりー!」
「無理と言うな!」
「だってぇ」
「お前、ここから俺が無事脱出出来たら覚えておけよ」
「な、ななな何、何されるの!」
「馬鹿、何もしねーよ。もういいから頼む早く作業を終わらせてくれ」
「わっかりましたよ。Myダーリン」
「ばっ、かやろう」
内線電話を切ってまたプチプチ押す。
まだまだ解除できない。
何回プチプチという語を打ち続けてきた事だろう。
もう頭がくらくらするけれど、あの人の為だから
あたしがしっかりしないと!
プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチ
プチプチプチプチプチプチプチプチ
プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチ
プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチ
プチプッ、
プラプラプラプラプラプラプラ
プラプラプラプラプラプラプラプラプラ
プラプラプラプラプラプラプラプラプラ
・・・・!
「ぎあ!また間違えた」
ご、ごめんごめんなさいダーリン、ちょっと待ってね。すぐ解除するから。
プラdelete
プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチ
プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチ
プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチ
ピーキャーピーキャーピーキャー。
突然、けたたましい音が鳴った。
「あれもしかして解除できた?」
tull tull tull tull tull
「お前何やったんだよ!」
darlinの金切り声
「いや、何も。ねぇ今解除できたでしょ」
「ばっかやろう。何言ってやがる。余計に縮まっただろっ!ばっか、ばっか、ばっか!お前ほんとに馬鹿!ああもうここから出られないだろうがっ!」
「まって、何?今の違うの?どういう事?」
「game overなんだよ。分かる?俺、ジ・エンドって事。・・・はああ、できれば時間内に抜け出したかったけどな。しやーない。」
「ちょっとまってよ。何言ってるの?あたし終わってないよ。まだあるでしょ。時間。まだ助かるでしょdarlin」
「いや、もう消えかけてる。とうとうお前に会えなかったな。俺の事darlinって呼んでくれたのにな。
悪かったな。俺がこのgameに誘ったばかりに嫌な思いさせちまったな」
「やだ、なんか、別れの言葉みたいじゃん。やめてよ。あたし、まだ頑張れるよ。」
「ばーか。もう意味ないんだって。ここ抜け出せたら最高の瞬間を共有できたのにな。先に脱出した仲間らとお祭り騒ぎしてよ、生きてる事の喜びを側で分かち合えたろうに。ごめんな」
「やだ、まって。まって、会いたい。darlin、会いたいの。行かないで、お願い。行かないで」
「無理なんだよ。もう俺ここから居なくなってしまうから。SAYO ありがとう。」
「あたし、
内線の向こうから声は聞こえてこなかった。
プチプチ 薫風ひーろ @hi-ro-ko
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