第10話 異種能力(アイデンティティ)

 Lv23地帯、「荒廃した大地」にダンジョンを発見した。教会の塔がほぼ全壊して中が丸見えになっていてその中心に階段があった。

「ちょっと不気味だけどめったに見つけれないからここしかないわね」

「何をびびってるんだいっいつも狂犬の様に暴れるくせにさっ」

「ドゴッ」

「Ohmygod」

スイの渾身の1発が決まった。

 そうして深層(ダンジョン)に突入すると注視すること無く目の前に情報が表示された。


Lv25 骸神殿

>モンスターLv帯 20~24

>踏破数 0

>環境 やや悪い

所有者・聖カインタント教会

情報

もとより栄えていた大地も、もうまっさらになりながらもこの神殿だけは残っていた。祈りのおかげだろうか

彼らは何を思って祈ったのか。この加護の代償とは。


「やっぱり不気味すぎる!情報まで気持ち悪いじゃない」

「それよりここって元々栄えてたのか、全く分からなかったなただの荒野だと思ってた」

「確かにこの俺様の目にもそうにしか見えなかったんだぁ、凡人の君たちに見えるわけがなかろうっ」

自分も見えなかったのによく威張れる。

 そんな会話をしながら進めていったが1層には何もいなく、不気味な生活感を放っていただけであった。

2層目に進むと人型のモンスターが現れた。


・ダートプリースト(Lv23)

HP???

情報

汚れきった心が身を侵していき成れの果てとなった神父。


「やっぱモンスターも人型なのね。ちょっとやな感じね」

「俺様が茨でで足止めするから凪月。君が近接で殺りたまえよ。あんな気味が悪いものに触れたくないからねっ」

「やっぱお前も気持ち悪いんじゃねぇかよ!スイにあれだけ言っときながらよぉぉ仕方ないなぁはぁ」

「化け物めが!美しき愛の束縛(ラブ・フォーエバー)」

「何その厨二みたいな名前プリーストより気持ち悪いわね」

「呼び名があった方がなんの技か分かりやすいだろう?」

「ま、まぁねあんたに論破されるのは癪だけど」

そうして最下層に着いた。


・BOSS 神の代行者 ダークビショップ(Lv???)

HP???

情報

今まで君たちが倒したプリーストを汚した元凶だ。彼らの信仰心を利用して髪に近づこうとした教祖である。

「君たち!いつもの手筈で行くぞっこいつはやばすぎるレベル表記がない!俺様が先行してやるからサポートするんだ!」

「わ、わかった!」「わかったわ」

いつになく焦る魁夢みて焦ったがそれ以上にボスの威圧に気を引き締められた。

魁夢が棘を伸ばし、拘束しようとしたがボスの持つ杖を地面にカンッと鳴らすだけで光を杖から飛ばし粉々に粉砕された。

「ちっ汚れた愚民の分際で俺様の愛を否定するとはな。」

そう言うと茨をレイピアに変えた

「直接愛表現(コンフェッション)」

「凪月は俺様の後ろにきて隙をみて攻撃しろ!スイは水の壁を用意してくれたまえ!光を屈折させるんだ!」

やはり魁夢は頭が良い。戦闘力の差がこの戦いてもはっきりとわかった。

そうして無事に相手の光を屈折させて攻撃を避けながら倒した。

!Congratulation!

dropped

手記の一部

光の杖

*その他素材や重要度の低いものは平等に分配されます

「やっと終わったな。俺様のおかげだろう?」

「まぁな今回は助かったよ」

「今回 も だろ?はははは」

殺したくなったが疲れていたので辞めた。

「そういやあんた、あの厨二病みたいな技名いつ付けたの?」

「君たち知らないのか?最近特殊な能力者が増えてきたんだ。そいつらの能力には俺様の技名みたいな名前がもとからついているんだよ」

 実際、最近そういった能力者は増えてきている。というより元からいたのだがその特殊さ故に、使い勝手が難しく慣れるのに時間がかかる。だから今になって増えてきた様に感じるのだ。それらを異種能力(アイデンティティ)と呼んでいる。


異種能力の特徴

・名前は「強化」や「水」のように抽象的ではなく、「美しき愛の束縛」のように名前がついている。(魁夢は名前を付けているだけで異種能力者ではない)

・抽象的ではないため、工夫による変化はなく能力はその1つのみである。(操作型の能力など例外はある)

・工夫が無い分、そもそもの能力が強い事が普通だ。


そういった情報を聞いて僕達は深層を踏破してもなお気を緩めれないなと感じながら帰り路を辿った。

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