第9話 深層(ダンジョン)

 そんな話をしていると、この話を聞いていたかのように突然魁夢が現れた。というよりこの男はいつも突然現れる。

「あぁ困っちゃうなぁ俺様ってば11もの会社に勧誘されちゃったよっ君たちとは格が違うからかなっ」

と前髪をばさっと上げて自慢気に話す。このイライラには慣れないものだといつも思う。

「だったらその会社に行けばいいじゃないの。なんで会社でもないこんな所にいるのでてけば?」

と笑いながらスイは言うが殺気みたいなものはかくせていない

「俺様がいないとこの先不安だろう?だからついていってやってるのさっありがたく思いたまえよ」

「どうせその話し方で結局避けられたんだろ」

スイのことを言えないぐらい辛辣なことを言ってしまったが間違いではないので後悔はしなかった。

「ところで君たちは会社作らないのかい?作るなら俺様がそこに入って1番強い場所にしてやらんでもないぞ」

「そうだなぁ人数が足りてないしそもそもこの人数なら会社にしなくてもなぁ」

会社にはいくつかの機能が追加されている。

 例えば基本8人までしかできないグループチャットも社員ならば無制限でできるし、部屋ではなくビル自体を購入できる。これは機能ではないがある程度この街の権力の様なものもある。というより恐れられているの方が正しい。しかし会社を設立するには大金が必要だし他の大きな所に目を付けられてしまうのだ。そういったリスクヘッジをしなければ行けないので安易に設立できない。

「俺様がいれば目をつけられても勝てるというのになんて気弱なんだ君たちは」

はぁっとため息をつきながら勝手に落胆していた。

「そろそろ探索に行かない?もうそろそろ夕方だよ?」

「そうだなそろそろ出よう。」

「今から行くのかい?暗くなってからなんて危険だろ」

珍しく心配をしている魁夢は少し面白い

「ダンジョンを探すにはこの時間じゃないと後をつけられると面倒だからね」

 この世界には通常のフィールド型とは別に地価へ繋がるダンジョン型が点在しているのだ。フィールドの中にたまにポツンと異様な存在感を醸す。

この様なダンジョンもやはり大企業に先に見つけられ報酬をもってかれてしまう人数の暴力だ。

そのため僕達は、人の少ない夜のうちに探索しようと思ったのだ。

「そういう事かっ弱者にも相応の考え方と言うのがあるのだなっうん、これは認めてやろう」

腹が立つが認められたらしいこうして僕達は探索を始めた。

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