第7話 美しく悲しき薔薇
異様な男と森を歩いて10分、ビックフット三体の群れを見つけた。
「そうだねぇまだ信用されてなさそうだしっ、この魁夢様の力を見せて差し上げようかっ!」
そう言うと地面から4本の棘を生やし内1本はレイピアのように形を変え、手元に持ってくる。持ち手のトゲはナイフで削ぎ落としていた。
「君たちは驚いてそこで見てくれたまえっ」
なんで驚く前提なんだと思ったが黙って見てやる事にした。
彼の三本の棘は生える場所の範囲は狭くともそこから伸びて行き、ビッグフットのいる位置まで届くとそれらに巻き付き動きを封じた。
「ま、まぁ凄いわね、動きを封じられるのはかなり便利ではある」
「いや、それだけじゃない、その棘(いばら)のトゲで少ないけど継続的にダメージを与えているんだ!」
そう言っている間に花が咲き、敵はもうその匂いの効果で脱出する能力も衰えていた。
「さぁぁこれでっフィニッシュだっ」
彼は戦闘中にも関わらず髪をいじりながら歩いて敵に近づいていき、そのレイピアで三体を屠っていった。
「これで仲間に入れてくれるかなっ?」
前髪をバサッと上げながら聞いてくるらへん彼らしい。しかしすぐに真面目な顔になり話だした。
「俺はこんな性格だからさ、誰も一緒にいてくれやしないのさ、皆絶望して動こうとしないから誘う人なんて限られてるのにさ」
彼がこんな真面目に語るのはもうこの先に数回しかない事は動かぬ事実だ。この時の僕は知る由もないのだが、何故かそれらしい事を察知した。
「まぁいいわ。でも、あまりにめんどうだったら途中で放る事は覚悟してよね」
どうやらスイも少し察知したらしい
「あぁっそれでも全然大丈夫さっ俺様が入れば負けを知ることがないと思いたまえっ!」
口調は戻ったものの目が潤んでいた事はあえて心の中に閉まっておこうと思った。
「ではこの俺様を君たちのフレンドリストに入れて置いてやろうっ」
「・・・フレンドリスト?
・・・フレンドリスト?」
とスイと僕はこれまでにないシンクロ率を叩きだした。
「まさか君たち知らないのか?メニューのフレンドリストを開いて手の平を合わせると登録できるのさっ
更に通話やメッセージを送れたりするのさっ」
分かりやすく自慢気な顔をしながら話すので少しイラッと来るが確かにそれは便利だ。そしてスイと魁夢をフレンドリストに登録した。
「僕はそろそろ帰るからまた明日にでも連絡をくれたらすぐに向かうよっそれじゃぁgoodbye my friends」
と流暢な英語を話しルー大○ばりの言語の和洋折衷をしながら、彼は帰って行った。その後夜まで僕とスイはLv9まで上げて帰ったのであった。
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