第5話 誰しもが尊き命
「ね、ねぇ凪月、あれって」
森に入って5分経った頃だった、今までの僕達でほ見た事のない生物に出会った。おそらくこれがモンスターだろう。
「とりあえず様子を見よう。いきなりは危険だ。」
そう言ってモンスターを注視する。
・ビッグフット(Lv1)
HP ???
>情報
自分の弱さを自覚し、移動に特化させたため、脚が進化し、代わりに手が無くなってしまった。顔から脚が生えているのはそのためである。
と書かれている。HPは数値化はされなくともゲージが名前の下に出ているため大体の把握はできそうだ。
「Lv1じゃんっ周りにもいなさそうだしやってみようか!」
「そのために来たんだ、もちろんだよ。。。」
もちろんと言いつつ少し怖かった。モンスターもそうだがスイがあれを見て怖気付かない所もだ。やってみようってのが「殺る」と変換できて余計に。
「行くよ!!」
そういうとスイは水を発生させ、刃の形へと変えた。
それに遅れないように、僕は脚と腕の筋肉を強化させ、スピードとパワーを増加させた。
「最初の一撃は私が遠くからするから、凪月は後ろから精一杯の一撃で突いて!」
「分かった!3秒後に俺は後ろに回るぞ」
Lv1の相手だが初戦ゆえかなりの緊張だった。明るいスイでさへその表情は真剣であった。
スイの刃が飛んだのが見えた僕はすぐに体勢を整え1歩を踏み出そうとした。その瞬間
「パァン」
スイの水が弾けてしまったのだ。自分の肉体強化で精一杯だったため、スイの防御を上げれないのでかなりの遠くからの攻撃という作戦だったが、僕の能力に限界があったようにスイにもあったのだ。今回はそれが飛距離となって明るみに出た。当然ビッグフットもその音に気づきそのムキムキの足で勢いよくスイに向かって行く。
「きゃぁぁぁぁ」
見た事のない異形の生物が近づくのはやはり怖かったのだろう。あの強気なスイのイメージは叫び声とともに飛んで行った。
「やめろぉおおお」
不幸中の幸いか、僕の強化能力のおかげで怖くて叫びながらも追い付き渾身の1発を放った。HPを見ると半分以上は減っていた。やはりLv1はそんなものだ。すると今度は逆方向にビッグフットは逃げて行く。彼も死にたくないのだ。僕達が怖いように彼も死は怖いらしい。一直線に走った反動ですぐには動けなく、半ば諦めていた時
「待ちやがれぇぇこの足デカぁぁ」
「え。。。」
困惑しすぎて声に出てしまった。足から崩れ落ちていたスイは2世代前くらいのヤンキーのような声と表情に豹変すると同時に水の刃はビッグフットに届き、一瞬光って消えた。
dropped
大きな足の骨×2
と目の前に表示された。さっき見たばかりなので実物が見えた訳では無いが生々しかった。メニューから取り出せるらしいが今はやめておいた。
「1度戻って能力を確かめるとともに休憩しようか」
「うんっそうだね!いやぁ怖かったなぁ」
と笑いながら返事するスイに安心と恐怖が芽生えたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます