第4話 進歩の1歩
彼らは、絶望していた。死を近くに感じ、食の楽しみもなにもない。死が怖いから行動もしない。最悪の停滞が町中に広がっていた。ここはゲームじゃない、現実なんだ。
「ねぇ、一度中心地から離れてみない?皆が動かないからって私たちも一緒になる必要なんてないでしょっ」
スイはこんな状況でも明るく次の行動を見ていた。
「そうだな、まだまだ時間はあるしいってみようか」
中心街から北に歩いていく、確かに東京ではあるが中心街から離れるに連れ道などは全くと言って良いほどに違っていた。
そして僕とスイは同時に歩みを止める。目の前には森林とその境目には光の境界線と思しき物があった。森を注視すると
・緑の集会所
推奨>Lv1
天気>晴れ
状態>特になし
所有>***
価格>モンスター生息地のため購入不可です。
情報
木々は集まりすべての生物を歓迎する。微かに暖かい木漏れ日は君たちを安らげてくれるだろう。初心者にはぴったりの場所だ。
「恐らくここモンスター的なあれが出るんじゃないか?」
「そうねっ!わくわくしてきちゃった!!」
怖さは無いのかこいつには・・・
一応男なので先頭を切る
「凪月!ちょっと待って!」
と森に向かって石を投げた。
「おい!なにすんだスイー!」
その石は森の前に俺の横をすれすれにすぎていった。
「あはははっごめんねぇぇ。でも、緊張はとけたでしょ?それにこの境界線が境界線じゃなくって何かの魔法だったらやばいでしょぉ?」
スイの意見はもっともだが、何よりも僕の緊張を見透かされていたのがどうしようもなく恥ずかしかった。
「今度こそ行くぞっもう急に変な事するんじゃないぞ」
「ねぇ行く前に私たちの能力を話し合ったほうがいいと思うんだけど?」
確かに、てか自分の能力使ったことないことに今気づいた。
「私、能力使ったことないんだけど凪月はどうなの?」
「僕もだよ、というかよくわかんないんだよなぁ」
「私も思ったそれっなんというか抽象的だよねぇ」
でも一応能力を伝えた。
「そっちは、強化ねぇ私は水だよ?一応手から水は出せたり、操作はできるんだけど。凪月も何か強化してみたら?意外とイメージしたらいけるよ!」
と言われたのでなんとなく強さをイメージしてみた
「できたらそこの岩を壊してみてよっ」
いやまて岩を壊すのは違反の対象になるのか
「なーに止まってんの対人でも殺意もないから大丈夫よっほらっ」
そういうと水を勢いよく飛ばして見せた
「今思い着いたんだけど私はこうやって水を刃の形にして飛ばすんだ!そこの小さい石も壊れたし攻撃出来そうじゃない!?でも殺意は無いから来ないでしょ?ね?」
確かに様になっているしロボも来ない。俺も負けないように岩を殴った
「いいいったあああああ」
まったく強くならないじゃないか。。。
「大丈夫!?うーんイメージが抽象的すぎるんじゃないかなもっと限定的にしなきゃ」
筋肉に集中して強化した
「おおらぁぁああ」
岩が砕けた。そこまで大きな岩では無かったが強化には成功したらしい。痛みも無意識に肉体を強化したからかそこまでない。
僕の能力の今分かった詳細はこうだ
・強化は任意の相手にも能力にも使用可
・作りが細かく無いものには細かい指定をした強化でなくても良い。逆に複雑な設計や大きくパーツに分かれているものにはどこをという指定が必要。
例
・水のスピードをあげる→そのままのイメージで可能
・人間のスピードを上げる→
足の筋力を上げるというイメージで可能
恐らく人間という中に、いろんな大きなパーツがあるという認識だろう。
「やったね!これで森に入れる!」
昼もすでに過ぎていたので不味い飯を食べて進んだ。
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