第3話 金があればなんでも
ここ東京といえばまずは渋谷だろうとスクランブル交差点に向かうと、やはりかなりの人が集まっていた。周りのビルはこわれていないもののツタがまかれ、ぼろいというなかなかの荒廃ぶりだ。
「ねぇ、このビルってかえるんだねっ」
とスイが言うので注視してみると
(仮名)渋谷001
・一棟 5000万p
・一部屋 800万p
オーナー:***
と書かれていた。どうやら本当に買えるらしいが必要性が見当たらない。今住んでいる地帯は無料で利用できる地帯らしいので正直住み慣れてるし十分だ。転移させられた人はこいしくなるのだろうか。金持ちめ、ざまぁねぇな。
「ん??どしたの?」
やばいあまりの恨みに声が、あぶねぇ
「ううん、このビルすごいなって、あはは」
笑いだけでなく緊張で喉も乾いてしまった。
「おおぉすごいぞ!!食料は無料で出てくるのか!!!」
少しごつめの男が俺のためかのようにタイミングよくでかい声で叫んだ。そして本当にメニュー画面を見てみると多種多様な料理がある。何があるかは多すぎて言えない。めんどくさいからではない。決して。。。
試しにハンバーガーを出して食べてみた
「ん。。。まずい。。」
スイも食べているようだ
「不味いと言いますか、味がしないよね?これ・・・」
全部薄い塩味、もしくは甘いものなら砂糖を感じるぐらいで味というには厳しい。
「ま、まぁ水は変わらないし大丈夫よ。。。」
珍しくスイもがっかりしているがそれでも僕を励まそうとしてくれているのはすごいところだ。
僕の喉が潤ったところで散策を再開した。少し進んだところで例の赤い封筒が落ちているのを見つけた。
「凪月、これって。。」
とスイはおびえた様な声と裏腹に何の躊躇もなく封筒を拾った。
ようこそお越しくださいました。
太東 修也様
あなたの能力は【膨張】です。
この力を使って強くなって頂けることを願っております。
と書かれている。
すると顎髭の長い、仙人のようなおじいさんが話してきた。
「おやおや、お二人は恋人ですかなぁ」
「いえ、まったく最近知り合っただけですよっ」
そんなはっきり言うなよと肩を落としたとこをガッツリ じじ・・・おじいさんに見られた
「ちなみにじゃがその封筒の奴は昨日ロボットに殺されていたぞ。あぁ恐ろしいの・・・」
と言うとすぐに去っていった。
「ということは、能力を発動したってことよね?」
「あぁそういうことになるな・・・」
異常な量の氷の能力、膨張の能力者のロボによる死亡この二つを思い返し想像するとゾッとした恐らく殺傷力のないと判断された能力は判定が遅れるのだろう。
ここでも油断はできない。ということか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます