第2話 「スーパーのせい」

ちょっと前の話なのですが、お母さんがたくさんの袋をかかえて帰ってきて、

「あの大型スーパーってひどいのよ、こんなに買わせるんだから!」

とぷりぷり怒っていました。


「それはお母さんが買った、っていうんだよ」

と突っ込みをいれましたが、納得はしてもらえません。


後日、習いごとを終えて帰ってきた日、母はすごく真剣な顔をしていました。

「……みんな言ってるわ。『あのスーパーには買わされる』って」


気おされてどう答えたらいいのか迷っていると、少女のようなつぶらな瞳を怒りでたぎらせ、こう言いました。

「やっぱり私が悪いんじゃなかったのね……!」


私もだんだんそんな気がしてきました。でも、真実はどこにあるのでしょうか。正直いってもう分かりません。


今のいろいろな騒ぎもあって、うちの冷蔵庫はパンパンです。落ち着いたら2回に1回は私が買いものにいこうと思っています。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る