まさかのシリーズ化。いいですね。
心温まる良いエピソードです。特に「逃げる青。青を追う君。立ち尽くす僕」のコントラストがきれいだと思いました。
緑は自分が死んだ話を次回するつもりのようですが、無責任な一読者としては、そういう話はやっぱり悲しいので、彼らの失われた青春物語だけ読めればそれでいいような気もしてしまいます。
僕は短編を書くのが苦手なので自分のことを棚上げした発言になりますが、読んでいてちょっと気になったのは、最初の青との会話がやたら具体的な一方で、文化祭の描写がややさらりとしすぎているような気がしないでもないことです。もちろん、緑が多くを語らず、細かいところを読者に想像させるところにも情緒があるとは思います。ですが、緑としては好きな人と文化祭巡りをした訳ですから、この日の茜の服装や髪形についての言及や、たこ焼きの味やお化け屋敷について具体的な感想があっても良いんじゃないかと思います。
細かいところで5つ気になったので、触れておきます。
・「僕らの幼なじみの茜ちゃんは、公園をはさんだ向こう側に住んでいる」「女の子の友達は茜ちゃんしかいなくて」という三人称的な説明の後に「そんな僕が君を好きになることは、ごく自然なことだった」と来るので、ほんの一瞬ですが、「君って誰のこと?」となりました。
・「所在なさそうに校門でうつむいていた僕は、君の声でやっと顔を上げることができた」とありますが、自分のことなので「所在なさそう」(退屈そう)と推測の意味を持たせる必要はないと思います。
・「あまりに自然な告白に、僕は無謀にも聞き返してしまった」とありますが、告白されて思わず「え?」と聞き返してしまうことを「無謀」(よく考えずに無鉄砲に行動すること。無思慮)と表現するのはちょっと微妙な気がします。
・誤字の報告です。「それから、2人無言で手をつないでいて帰った」とありますが、正しくは「手をつないで帰った」だと思います。
・「声の出せない僕らに変わって、青がどんどんネタバラシをしてくる」とありますが、「声の出ない」あるいは「声を出せない」「声も出せない」だと思います。また、「僕らに変わって」ではなく「僕らに代わって」だと思います。
このコメントは削除していただいても構いませんが(以下略)。
長文失礼しました。
作者からの返信
あじさいさん
いやー、とてもいいご指摘ありがとうございます!
茜ちゃんのことを「君」と呼ぶタイミング、迷ったんですよ。(前回はずっと「君」で呼んでいたので今回もそうしたかった)
でもやっぱり、「誰?」ってなっちゃいますよね。今回はもう茜ちゃんで統一した方が良さそうですね。
文化祭巡りの描写、いいことを聞きました。
私は長編を書くのが苦手でして、どうしても文章が短くなってしまうんですよね。もう少し具体的に書くようにトライしてみようと思います。
今回も誤字、誤用のご指摘ありがとうございます。
調べて適宜修正いたします。
カラフルな話でよかったです