最高のお祭りは大嫌い。

水谷一志

第1話 最高のお祭りは大嫌い。

…こいつら、マジなのか?

…何を考えている?

…とても正気の沙汰とは思えない。

俺は、こいつらの「最高のお祭り」が大嫌いだ。


こいつらは、とにかくドンチャン騒ぎ。

人と会えば、とにかく祭りの開始。

その祭りは次から次へと他のヤツらを巻き込んでいく。

『頼むから俺を巻き込むなッ!』

俺はその「最高のお祭り」が嫌で嫌で夜も眠れない。

あと、人によってはその「最高のお祭り」が嫌過ぎて寝込むこともあるらしい…気持ちは分かる。


あとこいつら、カラオケも好きみたいだ。

中にはカラオケハウスにずっと入り浸っているヤツもいるらしい。

『もう勘弁してくれよォ…。』

俺もどちらかというとカラオケは好きだが、こいつらと一緒では歌う気になれない。

…あと、ライブなんかもこいつらは好きらしい。

『音楽なんて聴く耳持ってないくせに…ッ!』

そう、こいつらには耳なんてないだろう。

あるのは、ただバカ騒ぎしたいという意志のみ。


あとこいつら、バカ騒ぎし過ぎてテレビに出るほどになっている。

多分こいつらは、それを面白がっているのだろう。

しかし基本目立ちたがり屋でない俺は、そのテンションに全くついていけない。

こいつらをテレビで見るだけでも、ゾッとする。


『どうすればこいつらのテンションが下がるんだよォ…。』

こいつら、金を持っているのか船の上でもドンチャン騒ぎをしているらしい。

…ってかこいつらどれだけ金を持っているんだ!?

…少なくとも、大量に金は使わせているに違いない。


『ってかこいつらのテンション、人間業じゃねえ…。』

ってか生き物の範疇(はんちゅう)を超えてるだろ、このバカ騒ぎは。


あとこいつら、日本だけでなく海外でもバカ騒ぎしているらしい。

『ってかこいつら、英語しゃべれるの?』

…多分こいつらの頭では無理だろう。

言ったら悪いが、(まあ俺はバカな方だが)俺のような人間の方が、こいつらより数段賢い…はずだ。


しかしここで、俺はあることに気づく。

『こいつら…、もしかしてシラフなんじゃねえの?』

なぜこんなにバカ騒ぎするのに、お酒がないのか?

そう、こいつらはお酒…、アルコールが嫌いなんじゃないか、と。


…と、いうわけで俺はこいつらとの出会い頭に酒をつぐことにした。

すると…、アルコール類が入っただけでみるみるうちにこいつらのテンションが下がる下がるゥ!

お酒が好きな俺とは全く逆の反応を、こいつらは示した。

ちなみにアルコールの度数はかなり高め。俺はその強いアルコールをこいつらにぶっかけてやった!

『やった!これでこいつらの『最高のお祭り』も終了だァ!』

俺はウキウキする。

そして俺は、大好きな旅行に出かける。


「ちゃんと手、洗った?うがいもした?」

「大丈夫だよ。」

「でも、それだけじゃダメよ。

ちゃんと【アルコール消毒】もしないとね。

テレビでも言ってるでしょ?【新型コロナウイルス】対策は。」


PS

この小説のように、早く新型コロナウイルスの感染が終息して欲しいと思います…。  (終)




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