第17話 ヘイルの墓参り


それはとてつもなく巨大な墓だった。



『こんなでけえ一枚岩があるのか?それを墓にしちまうなんて…』


墓のに立つ三人。


この巨大なは三人に深い影を落としている。


『通常の100倍の石を使っている。種族こそ違うが、我が英霊への敬意だ。』


『…すっ…げぇ。上の方遠すぎて字が読めねえ…。』


『……ヘイル、出てきて。』

ローレライはヘイルドラゴンを召喚した。



『おぉ!…ヘイルドラゴン。』

と梅尊。正座し佇まいを直した。



『……息子よ。』



ヘイルドラゴンは墓と対峙している。


それはとても長い時間だった。


いつからかデュマも梅尊の見よう見まねで正座をし、ヘイルドラゴンのを見守った。


いつしか日は暮れていた。


『……お前たち。』

ヘイルドラゴンは墓に対峙したまま口を開いた。


『…ありがとう………。』



誰も、その言葉には返す言葉がない。


『…………私はとても長い時を無駄にした……むすこが蛮勇をふるっている間………私は捕らわれ………思考を殺していた……』



リオダールの戦禍が思い出される。



『………僧よ。』



『ああ。』


『………息子は…どうだった。』



『勇敢だった。』



『……そうか。……主よ。』



『なんだい?ヘイル。』



『……私も息子に恥じず………ドラゴンとして生を全うしドラゴンとして死にたい…………私をこれからも……使ってくれるか………?』



『勿論だよ、ヘイル。』



『ありがとう。』


そう言うとヘイルは消えた。



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七人の魔法使い~ワンスアポンアタイムインxx~ 大豆 @kkkksksk

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