第15話 肉湯術その④

(バカ強え上に回復すんのかよ…?!)


『悪いね。この術も万能じゃないが刺し傷切り傷とはすこぶる相性がよくてね。さ、続けようか。』


そのとき。

 『ちょっとタイムー!』


ローレライが割って入った。


『ちょっとデュマ何やってんのー?』


『あぁ?!頑張ってんだよ今!』

早く出さないと死んじゃうよ?』


『あ!?』『あ!?』


デュマと梅尊の声が重なった。


『そんな怪我。』


『はっはっはっはっ!子供の頃はよく母親に言われたな。しかしあれは擦り傷や切り傷の……………っな!』



デュマは実際にひしゃげた腕に唾を吐きかけた。


本来前腕の筋肉が損傷した場合ものを握るのも儘ならなくなる。が、デュマはその右腕で脇差しを素振りしてみせた。



『ね。肉湯術とはいかないけどすごいでしょ!デュマのは!』


『ロール……この青年もの一人と言うのか。では君も?』


『おい、何の話だよ??』

デュマはおいてけぼりを食らっている。


『それは私から説明しようかな。戯れはおしまいだ。すまなかった。……さ、また茶でも啜って聞いてくれ。』






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