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・舞台


ボス幹部の円卓の間


・概要


薄暗く、殺風景な部屋。周囲をぐるりと暗闇が囲っている。

黒曜石を磨いたような真っ黒な床の上に、円を描くようにやたらとでかい白い石製のおしゃれ椅子が並んでいる。

椅子の数は十三、それぞれ背もたれの上の方にローマ数字でⅠからXⅢと順に書かれている。

天井は高く、そこからピンポイントでスポットライトが椅子に当たっている。

椅子の中央部分に水晶が置かれていて、魔力を通すと何かしらの立体映像を浮かび上がらせることができる。

Ⅰの椅子にはひじ掛けの見えないところに十二個のスイッチがあり、押すと床に穴が開いて、それぞれ対応した椅子が奈落の底へと落下する。

部屋は思っているよりも狭く、直径100mほど。黒い壁の向こうはいきなり外で、百五十階建てのビルの最上階だとわかる。ただし下の階には何もなく、ただ高さを作るために柱と外壁だけのつくりとなっている。

周囲には白色の砂漠がどこまでも広がっている。

室外の気温は肌寒く、乾燥していて、風は弱い。

室内の空調が聞いていて程よい湿度に室温、赤外線により殺菌されていてほぼ無菌に近い空気が流れている。

魔力などに優れていれば、ここには頻繁に異世界へ通じる扉が繋げられていると感じとられる。


・名前


『女神作』ファースト=ワン


・外見


230cm 340kg

白紙のように真っ白な肌、でっぷりとした体の、人間に似た何か。全体としては人のシルエットをしている。

つるつるの頭に、顔の代わりに黄金の仮面をつけている。その下には青色の目玉しかなく、耳や鼻はない。口は胸元から臍にかけて縦に裂け、あばら骨のような鋭い歯が左右にビッチりと生えている。

体つきは筋肉ともぜい肉ともとれる太く厚い体で、触れると弾力がある。体温は低い。体液は青色で、位置や形状は異なるものの心臓や消化器官などの臓器も一通りそろっている。

一切の体毛がなく、へそや乳首、生殖器に当たるものもついていない。

見る人が見ればこの上なく神聖な存在でありながら魂の類を一切持っていない、異形の存在だとわかる。


・経歴


女神が、創造神を名乗るための試験のため、無より一から造り上げた『人間』の最初の一人として造り上げられた。

全能なる力を持つ女神だが、全知ではなく、その気になれば無から分子原子レベルを作り出し、組み上げて、なんでも作れるのだが、正しく物を作るのが苦手で、説明書通りに組み上げたのにこんなんになった。

当然、試験官である他に神からの査定では失敗作であり、最低限の体裁を整えるために無理をして生き物のように動いているに過ぎない生命の冒涜と評されている。

女神はそれに納得しておらず、揉め続けていて、試験そのものが終わっていない。

この戦いに投入するのは失敗作ではない証を示すためとなっているが、実際はどさくさに紛れて完成させようとの魂胆がある。


・性格


意思や人格といったものは初めから与えられておらず、本能にも劣る戦闘プログラミングのみを有する。

なのでコミュニケーション能力は持たず、精神汚染も影響を受けない。


・能力


雑に作られたため、動きがぎこちなく、骨格、筋肉、筋、神経、それぞれのバランスがめちゃくちゃなのでただ腕を曲げるだけで皮膚が割け、骨が飛び出し、筋肉がむき出しになる。

それでいて痛みを感じる機能がないため問題なく動き続ける。

単純な耐久力はすさまじく高く、パワーもスピードも存外に高い。加えて魔力の総量は三桁は間違えたのではないかと思えるほどべらぼうに高い。

嗅覚はないが、皮膚弁体が鼓膜のようになっていて聴覚はある。それと視覚に触覚、魔力の感知能力を加えると常人よりも遥かに多くを感じられている。

神聖フィールド

自分に対して害意をもって迫る攻撃に対して透明なバリアを張る。バリアは衝撃を受けると光り輝き力を分散させようとする。バリアは形をある程度変えられ、飛ばして相手を押しつぶしたり、刃状にして腕に張り付けて武器にしたりできる。

いかなる属性も完全に封じ込める完璧なバリアだが、その分魔力の消耗が激しく、長時間は維持できない。

ソウルドレイン

腹の口を最大限に広げて行う、必殺技にして食事。周囲にある生物的なエネルギー、魔力や魂などを一切合切吸い込み、栄養とする。範囲に制限はない。

受けた生物は、物理的な空気の動きはないのに風を感じ、その内体温の低下、倦怠感、めまいなどを感じ、しばらく放置すれば動けなくなり、衰弱して死亡する。その後も霊的なエネルギーが吸い取られ、最後に屍はただの白い砂となる。

このドレインはいかなる物理的障壁でも塞ぐことはできず、魔力などではそのものが食われてしまう。一方で向こうも神聖フィールドを張りながらでは吸収できないため無防備となり、弱点である内臓がむき出しなため、捨て身の技になる。


・戦法


一人でいる間はじっとしている。

そこへドアが現れると反応し、ドアが消えきる前に接近、襲い掛かる。

基本は神聖フィールドによる体当たりや押しつぶし、ダメならば格闘戦に流れる。

人格は無くても学習機能はあるらしく、手を変えたりフェイントを混ぜたりと成長していく。

手足を捥ぐか、捥がれた場合は切り札のソウルドレインに移る。


産まれるべきではなかった

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