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・舞台


きのこ病院


・概要


やたらと散らかっている病院、そこかしこにきのこの生えたガーゼや空の薬瓶、マスクなどの医療品が転がっており、ベットには冷たくなった死体が寝そべっている。ドアが出た病室にある死体の死因は脱水症状、外傷はなく、点滴などが尽きていて、放置されて力尽きたと予測できる。

かなり大きな建物で、ドアが繋がる中央病棟は高さ五十階を超え、手術室に各種検査室、一般外来など、通常の病院ならば二十倍は作れそうな規模になっている。

入院用のベットも団体室から個室、さらには政治家のお偉いさん避難用のVIP室も完備している。屋上にはヘリポートが二つ、地下や背面には駐車場、下層階にはレストランに、何故か映画館やお土産屋さんまであるが、どれも略奪にあったかのように荒らされて、使えそうなものは何も残っていない。

周囲も同様に病院の分院で、緊急外来専門病棟、精神診療病棟、感染症隔離病棟、

検死専門病棟まである。

病棟を渡るには外に出る必要があるが、窓から見渡す限りアスファルトの道路の上には、全身からきのこを生やした死体が大量に放置されている。格好、状況から生きている間にキノコが生えて、それで死んだと推測できる。

外の街灯などから電気は止まっている様子だが、各病院には地下にガソリンで動く自家発電装置があり、あと三日は電気が使える。

外はうだるような夏の気候で、蒸し暑く、土砂降りも時折降る。逆に病院内は震えるほど冷房を効かせていて、乾燥している。

きのこについて、カルテやら新聞やらに色々書かれているが異世界の文字なので大体読めない。ただ、かなり大規模に広がっていることは伺える。


・名前


『錬金術師』ラスティム


・外見


169cm 45kg

銀髪碧眼、鋭い眼光に銀縁の眼鏡をかけた優男。

知的な外見、落ち着いていて、大人の魅力あふれている。

体は細身、運動不足から骨が出ていて不健康、指先も薬品などで荒れている。

服装はこちらの病院で手に入れた白衣を上に羽織り、カーキ色の長ズボンに藍色のシャツを着ている。

その他、大量の錬金術の道具を持ち込んでいるが、大半は病院内のどこかに隠しており、持ち歩いているのはいくつかの薬瓶と、発射する錬金銃だけ。


・経歴


見た目通り名前の通りの錬金術師。魔法が主体の異世界にて化学中心に研究してきた。

そのルックスと頭脳から女神に見初められ、半ば誘拐されるかたちで勧誘された。

しかし、実際会ってみても話がかみ合わず、女神の無知ぶりを晒す結果になった上、元の世界に戻すよう、強く言われたことから半分お仕置き、半分いたずらのつもりで戦いに投入された。

勝ち残れば良し、ダメでも死ぬ寸前に助けを求めてくるだろうと考えていた女神だが、他の戦いに夢中でほぼ忘れられている。


・性格


理系、天才、知的、馬鹿が嫌い。

好奇心はかなり強いが、正確性を求めるため、細かな観察から入る。

また知能と感情を切り離す術を知っており、戦いにおいて相手を殺さなければならない不条理にも難なく順応している。他者の命に価値を見出せないタイプのサイコパス。

専門は化学だが、医学や菌類学にもある程度明るく、病院周辺に発生しているきのこについて独自に研究している。その上で、この世界に来た段階ですでに感染しており、勝利時の女神による完全回復でしか助からないと考えている。また、きのこが急速に成長し命が奪われるロジックもある程度は予測できている。


・能力


手先は器用で動作は正確、だが運動不足から単純なパワースピードタフネスは高くない。

知能はやはり天才、電気による病院の設備をほぼ完全に理解しており、医薬品の内容なども解析が終わって、今はコンピューターに挑戦している。

魔術呪術にも通じているが、専門ではないため、知識はあっても実戦では一歩劣る。

錬金銃

ずんぐりとした、壺のような本体に簡単な持ち手と引き金を付けたような、金色の銃。実際は大砲に近い形をしている。両手で抱えないといけない大きさに重量で、扱いには苦労している。

そこらで集めた各種化学薬品を中で合成し、その場に適した薬品をカプセル状の弾丸にして発射できる。連発はできず、飛距離も弾速も弱い。

作れる薬品は『溶解液』『火炎液』『冷却液』『ねばねば液』など多数。

また、独自配合の回復ポーションも持ち歩いていて、致命傷でなければ助かる程度の回復能力がある。


・戦法


研究に忙しく、待ち構えてたりはしないが、天才なので敵が来ればどこにいても計算して察知できる。

基本はヒット&アウェイ、一発撃っては逃げる。二発目以降はどんな場合でも逃走目的であり、勝つことよりも負けないことを念頭に行動している。

最後の切り札として発電機を破壊し、病院内の気候を外と同じにしようとする。


強者

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