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・舞台


群猿割拠


・概要


四方を山に囲まれたくぼ地、ドアを出てすぐの場所にバナナの木が一本生えている。

熱帯地方の気候で、温かく程よく雨も降る。風はムラがあり、強かったり弱かったり、方向もコロコロ変わる。

周囲東西南北にそれぞれ山があり、それぞれに果物やドングリの生る木が森として生えていて、奥に入れば湧き水もある。

そして東西南北には無数の猿が群れをつくって暮らしており、それぞれが熾烈な縄張り争いを繰り広げている。

その中での激戦区がこのバナナであり、そこに登場した第五勢力は四方から投石とウンコの洗礼を受けることになる。

猿たちは気性が荒く、ただ追い返すだけでなくしつこく追い回して死ぬまで攻撃を止めない。


・名前


『エモーション』ク〜ベルト


・外見

177cm 77kg

蛍光色の緑色いガスマスクに全身を包む同じく緑色のスマートな防護服。両腕には合わせれば上半身を隠しきれるほど大きなオレンジ色い籠手を着けた男。

素顔は縦長の卵型の頭で、短い茶髪、垂れた目じり、緑色の目をしている。

体格としてはひょろ長く、特に手と首が長く見える。

両腕の籠手には肘側から小さなペットボトルサイズのタンクを取り付けることができる。

背中には酸素ボンベ、腰にはナイフと拳銃、そして籠手に装着するタンクが左右四本ずつ、タンクは半透明でそれぞれ黄色、赤、青、紫の粉末が見える。


・経歴


研究者にしてテロリスト、いわゆるマットサイエンティストで、元は別組織で異世界間の戦争を作っていた。

その業績から転職を繰り返しランクアップし、終に女神の元へとたどり着いた。その経歴上、異世界についての禁忌に近い知識を持っていて、知らぬ間にブラックリスト入りしていた。

今回の戦いは就職テストであり、自身の研究の有用性を示す絶好の機会でもある。


・性格


探求心の塊、自身の研究を完成させること以外に興味がない。

頭の中で勝ってにまくし立て、それが相手にも伝わっていると勘違いする。

驚くことにサイコパスではなく、物事の善悪や他人の勘定を想像することはできる。が、犠牲者は研究の一翼を担えたと、天国で喜んでいると妄信しており、精神に異常があることに変わりはない。

ずっと研究所にいたせいか、実戦の場においても危機感がなく、想定外のことが起こったり自身が追い詰められても特に慌てる様子もなく、痛みをもってやっと恐怖を感じる。


・能力


身体能力は低く、加えて重すぎる装備によりただ歩くのも疲れる。

頭は研究者だけあってかなり良く、風の流れなどを瞬時に計算できる。

研究の専攻は感情、心理学と薬学、社会学との複合で、薬物による感情のコントロールと、それらを用いた社会の支配をテーマとしている。

防護服は完全に外部からの科学的影響を排除できるが、強度は過信できるほどではなく、強く引っ張られたりすると穴が空く。

エモーションパウダー

両腕の籠手はモーターフィンを内蔵しており、各種タンクから粉を噴出させることができる。この粉は喜怒哀恐を、黄は喜び、赤は怒り、青は悲しみ、紫は恐れを、吸い込んだり網膜に触れたりして体内に取り込んだ生物に与える。

効果はすぐに出る上、かなり強力で、この感情に逆らえる実験生物は今のところ記録されていない。


・戦法


基本は戦わない。

ただ裏手でパウダーを撒き、猿たちを先導し、戦争を過激化させている。

敵と出会ったならば紫による恐怖で追い払うか、周囲の猿に赤の怒りを浴びせて暴走させる。

本来多人数を前提とした戦法ながら、他はやりつくした後なので、これしかなかった。

極端な話、猿を無視して一撃必殺を喰らった場合、なすすべもなく死ぬ。


普通

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