第3話 【優花とのデート】 水族館って危ねえな

「ま〜さと! おっはよ〜!」


「あ、ああ。おはよう」


今日は優花とのデートの日だが…… なんか複雑な気分だなぁ。嬉しい反面、振られたのになんで?って疑問もあるし…… まあ最後にはわかるだろう。


「今日も元気だな」


「あったりまえでしょ? 将人と一緒にデート行けるんだもんね❤️〜!」


「それで…… どこ行くんだ?」


「それはねぇ…… 水族館で〜す!」


はは…… こりゃあまた昨日とは違う楽しみが待っていそうだな……


◾️◆◇


「着っきまっした〜! ここが水族館で〜す!」


「へぇ〜 ここが……」


なんでも、新しくできた水族館らしい。俺は魚に詳しくないのでまったくわからないんだが。


「ちょ…… お前はくっつきすぎだよ💢!」


「いいじゃ〜ん❣️ 私たち今デート中だよ? もっとイチャイチャしようよ〜!」


「か、勘弁してくれ……」


俺は振られたくせに何やってんだ…… まさか今さらときめくわけ……… ないだろ?


「何名様ですか?」


「2名で!」


俺たちは水族館に入っていった。


◾️◆◇


「うっわぁ🤩〜! すご〜い! お魚さんいっぱいだ〜!」


「おお〜! なかなかきれいだな!」


入り口から進んでいくとトンネル水槽があって、まさに幻想的な世界だった。すっげぇとしか言いようがないくらいだ。


「ほらほら! 写真撮ろうよ!」


「あんま焦んなよ?」


俺たちはジンベエザメの前で写真を撮った。のだが……


(ち、近い………)


とにかく距離が近い。ほっぺたほっぺがくっついている。なんか優花のいい匂いがするし。


「はい、チーズ!」


俺はドキドキ💓しながら写真を撮った。


「あれぇ? 将人ったらなに顔赤くしてんの? もしかして私にドキドキしてんのかなぁ❤️?」


「ば、ばか……! こ、これは違えよ! ほらっ!早く行くぞ!」


「ふふふ。変な将人」


はぁ〜 俺は何焦ってるんだ?


◾️◆◇


「うわぁ〜! この魚かっわいい〜!」


優花がまっさきに飛びついていった水槽は[ハコフグ]という魚がいるらしい。ぷっくりとした体ととがった口がキュートと評判だそうだ。俺はかわいいとは思わないんだが……


「なんか将人に似てるね?」


「は⁉︎ ど、どこがだよ?」


「うわぁ〜! こっちもかわいい!」


い、いや。今の衝撃発言だぞ? フグに似てるって言われて喜ぶやつはいねえからな。


「う〜ん…… 俺ってフグに似てるのかなぁ?」


そんなことを考えていると、


「そんなに気にしないで。将人も可愛いし大好き💕ってことよ」


「ん…… あ、ありがと……」


今一瞬、またドキッとした。俺は何意識しちゃってるんだよ。


◾️◆◇


「あっ! なになに〜! あれ!」


「あ〜 あれは…… ドクターフィッシュだな」


そう。皆さんおなじみのドクターフィッシュ。人間の古い角質を食べてくれたり、そこには美容効果や医療効果も期待できるというありがた〜い生き物だ。


俺は手を入れてみた。


「ははは。こそばゆいけど中々気持ちいなぁ。ほらっ。優花もやってみ?」


「え…… わ、私なんか…… こういうの苦手かも……」


優花が躊躇してる。そんな怖いものじゃないのに。


「まあまあ。いいから入れてみ?」


俺は優花の手をとって入れてやった。


「ちょ、ちょっと……… うわぁ! 何これ? なんか気持ちいね」


「だろ? 美容効果にもいいんだぜ?」


「へぇ〜……」


(私…… 将人に手を触られた時、めっちゃドキドキ💓しちゃったなぁ。もっと可愛くなったら将人も……)


優花が夢中になってドクターフィッシュを触っていた。うん。好きになってくれてよかったよ。


◾️◆◇


「そろそろお昼だねぇ?」


「もうそんな時間かぁ。何食べたい?」


やっぱ時間過ぎるのは早いなぁ。ついさっき水族館に来たばっかだと思ったのに……


「あそこの水族館弁当なんてのはどうだ?」


「いいね! 食べに行こう!」


俺たちは食堂に向かった。


◾️◆◇


「こっれおっいし〜!」


「中々うまいなぁ!」


弁当というものだから普通のおかずかと思ったら、海ならではの刺身や海藻などが入っていた。しかもこれがめちゃうまなのだ。


「ん? おい優花。ほっぺにご飯ついてるぞ?」


「あっ!ほんとだ! てへっ❤️」


可愛い💕…… しかもその仕草は男を誘惑するやつだよな? お前がそれやっちゃあ反則だろ。


「ほらっ! 将人! あ〜んして」


「い、いや…… いいよ。恥ずいし……」


「いいからいいから」


「わ、わかったよ……」


いきなり優花にあ〜んってされた。は、恥ずかしい……


「てかこれお前の箸だよな⁉︎」


「え?そうだけど?」


「い、いや…… 間接キスになるだろ⁉︎」


「あっ! 忘れてた! またまたてへっ❤️」


「てへっじゃねえ💢!」


わざとらしい……


◾️◆◇


「最後はショー見に行こうよ! なんかイルカのショーなんだって!」


「あ、ああ……」


さっきの間接キスから俺のドキドキ💓はまったく止まらない。優花の顔を見るたびに照れてしまう。実際可愛いんだぜ? 


(くっそ〜 俺は何してんだ⁉︎ 一回振られてんだぞ? あきらめ悪いじゃねえか。もっときっぱり言わないと……)


でも楽しんでる優花を見てると、とてもそんなことは言えない。むしろこっちが期待してしまう。


(はぁ〜 言うのは帰りでいいか)


「将人? もうショーが始まるよ!」


「お、おう!」


ショーが始まった。イルカの大技に歓声が響く。


「わぁ🤩〜! すっご〜い!」


「たはは! すっげえ!」


まさに見事だ。輪っかを次々とくぐっていく。そして潜っては、またジャンプだ。


「あのイルカ🐬かわいい😍〜!」


優花が指差したのはピンクがかった色のイルカだ。いかにも大人しそうな顔をしている。たしかに可愛い。


【最後は大ジャンプです! 前の方の席の方はお気をつけ下さい!】


『へ?』


放送が鳴り響いた。あれ? この席って……


ドボボボボボ〜ン………


◾️◆◇


「うわぁ〜 びしょ濡れだね?」


「ははは。ほんとだな〜!」


もはや笑うしかないくらいびしょ濡れになっちまった。


「それにしてもショー凄かったね!」


「ジャンプとか芸とか、とにかくすげかったな!」


ほんとに俺感動。思ったより凄かった。なんか言葉じゃ表せない美しさだったなぁ。


「服濡れちゃったね」


「ああ。着替えてこようか?」


「ううん…… もうこのままでいいんじゃない?」


「そ、そうか………」


さっきから気になってるんだが…… その…… 見えちゃってるんだよなぁ。水のせいで服が透けてきてて…… い、言った方がいいのか?


「ふふふ。服が透けてんの気になる❤️?」


「わ、わかってんなら隠せよ!」


「ふふ…… 触ってみたい💕?」


え⁉︎ そ、そんなのありなのか? 優花の胸を俺が触って………


「だ、だめだ! は、早く行くぞ💢!」


「もう〜 照れ屋さんね❣️」


(もうちょっとでいい感じだったのに…… ぶぅ〜)


◾️◆◇


「はぁ〜 そろそろ帰る時間だぞ?」


「早かったね〜 今日な楽しかったよ!」


「はは…… まあ、そうだな」


なんか晴美の時より疲れたなぁ。やっぱ違うんだなぁ。これはこれで楽しかったけど。


(そうだ! 優花に言わないと……)


俺だって優花のことが好きだ。だから言うのは辛い。でも一回は振られたんだ。男として。けじめはつけないと…… 俺は覚悟を決めた。


「優花! 今日は楽しかった。でも…… お前に言わなきゃいけないことが………」


「し〜っ! 言わなくていいよ……」


そしていきなり優花がキスしてきた。甘い感触と温もりが身体の中を伝わってくる。


「な、な、何を……⁉︎」


「これが私の気持ちよ❤️ 答えは明日、待ってるから! その時に…… その時に私の気持ちも全部。伝えるね❣️」


呆然とした俺をおいて去っていった。




【あとがき】

次で最終話になります! 果たして主人公はどちらを選ぶのか? ぜひ読んで下さい! 評価やレビューもお願いします!

次回は3月6日午後8時30分更新です! この作品をフォローしてぜひお待ち下さい!










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