第2話 【妹とのデート】 遊園地へ行って来ます!
「お兄ちゃん! お・に・い・ちゃ・ん! 起きて!」
「ん? ふわぁ…… なんだ晴美か? 今日は土曜日だろ?」
「何言ってんの? 遊園地。行くんでしょ?」
「……… はっ! そうだった!」
そういやあこの前、遊園地に行く約束したんだった。
「私が仕方なく行くんだからね? わかってる?」
「はいはい。わかってますよ」
我ながら可愛い妹をもったものだ。俺は頭を撫でてやった。
「な、な、何⁉︎」
「今日はありがとな。俺助かったよ」
「べ、べ、別にそんなんじゃないし? な、何勘違いしてんの? へ、変なお兄ちゃんだわ……」
(うぅ…… 頭なでなでなんて反則だよ〜! ていうか私はなんでお兄ちゃんにドキドキ💓してんのよ〜! ここは我慢。我慢だ)
「なんだ? 頭撫でられるのは嫌か?」
「そ、その…… まあ嫌じゃなくなくないっていうか…… つまりいやじゃないっていうか…… その…… とにかく早く行くわよ!」
怒って出て行ってしまった。さっきの訂正。我ながら変わった可愛い妹だ。
「はぁ〜 私こんなの耐えらんないよ〜 お兄ちゃ〜ん❤️」
◾️◆◇
「遊園地ついた〜!」
「ははは。久しぶりだな」
遊園地なんていつぶりだろうか。晴美と出かけるのでさえ久しぶりだからなぁ。
「始めは何乗るんだ?」
「それはもちろん………」
◾️◆◇
「安全の為バーから手を離さないで下さい」
そう。始めはやはりジェットコースターだろうな。
「あれ? 晴美? もしかして怖いのか?」
「そ、そんなわけないでしょ? こ、こんなもの朝飯前っていうか…… その…… ま、まあちょっと怖いかもなぁっていうか……?」
って言いながらめっちゃ手震えてるけど? このツンデレさはいつになったら……
「俺が手。握ってやろうか?」
「え⁉︎ い、いや…… ぜ、全然怖くないし? む、むしろ楽しみだし? で、でも…… お、お兄ちゃんがどうしてもって言うなら? し、仕方なく握ってもいいかなぁって」
と言いながら手を俺の方に寄せてきた。ふふふ。可愛げのある行動だよ。
「ほらっ! 俺のこと離すなよ?」
「う、うん💓……」
(お、お兄ちゃんと手をつないでいるなんて…… もうドキドキ💓が止まんないよ〜)
ジェットコースターは発車した。
◾️◆◇
「ははは。ジェットコースター凄かったなぁ?」
「ま、まあまあだったわね…… ま、まあ私にとっちゃあ全然だったけどね?」
「その割には俺の手にしがみついてたけど?」
「そ、それは…… お、お兄ちゃんの空想よ! わ、私がそんなことするわけ……」
「はいはい。わかったよ」
相変わらず素直になれない妹だ。
(はぁ〜 ジェットコースターよりお兄ちゃんと手をつないでた方がドキドキしちゃったよ……)
「晴美? 顔が赤いけど大丈夫か?」
中々染まった顔をしてるな。何かあったか?
「べ、別に? そ、それより次お化け屋敷行こうよ」
「お化け屋敷かぁ。懐かしいな」
お化け屋敷といえばデート定番の場所だ。もちろん俺はデートなんてしたことないが。
「怖くて泣くなよ?」
「な、泣くわけないでしょ? もう。お兄ちゃんったら………」
◾️◆◇
「じゃ、じゃあ入るぞ?」
「あれ? お兄ちゃん怖いのかなぁ?」
「お、俺はこういう系苦手なんだよ。は、晴美は?」
「ふん。大丈夫に決まってるでしょ? こういうの怖がるのは幼稚園児くらいよ?」
今どきそんなものなのかなぁ? 俺が単に怖がりなだけか? このお化け屋敷はかなり怖いらしいけど……
「よ、よし! 行こう!」
「は、早く行ってよね?」
◾️◆◇
「な、なんだ? あれは……?」
「キャー⁉︎ 何よあれ⁉︎」
「あ、あれ? 怖くなかったんじゃ……」
「こ、怖くはないわよ? ちょ、ちょっと寒気が…… お、お兄ちゃん! もっとゆっくり歩いてよ〜」
お化け屋敷の怖さは俺の想像を超えていた。そこら中からお化けがうようよ出てきて……
「う〜ら〜め〜し〜や〜!」
「う、うわぁ⁉︎」
「キャー⁉︎ で、出た〜⁉︎」
俺と晴美は気づいたら走り回っていた。
「お、おい。あんま走ると…… いてぇ⁉︎」
「キャー⁉︎ な、何⁉︎」
ほら言わんこっちゃない。ぶつかってしまった。
「い、いてて…… だ、大丈夫か? 晴美?」
「お、お兄ちゃん💢? 手。どけてくんない?」
「え⁉︎ す、すまん……」
見ると、俺の手が晴美の胸にあたっていた。もちろんわざとじゃないぞ? 俺は妹に手を出すバカじゃあないからな。
「よ、よし…… も、もう出よう」
「そ、そうね…… ま、まあまあの出来だったんじゃない? こ、怖くはなかったけどね」
(はぁ〜 私のバカ〜! 何胸触られて内心喜んでるのよ!)
俺たちはやっとのことで外に出た。俺と晴美は一言だけ叫んだ。
『もうお化け屋敷はこりごりだよ〜!』
◾️◆◇
「お兄ちゃん〜 お腹空いた〜」
「ん? もうそんな時間か?」
気づいたら昼の1時を過ぎていた。
「そうだなぁ…… まあ軽く何か食べるか」
「何食べる?」
「え〜っと……」
ここは何が美味しいんだろう。何か美味しいものは………
「あそこのタコス食べてみようよ!」
「ん? タコスか。そうだなあ…… よし! 食べてみるか!」
◾️◆◇
「これおいっし〜!」
「うめえな。こりゃあ絶品だ!」
タコスという食べ物は初めて食べたのだが…… これはうまいな。
「お兄ちゃん。ほっぺについてるよ❤️」
「え? あ、ありがと……」
あれ? 俺、何ドキッとしてんだ? 相手は妹だぞ?
「か、勘違いしないでよね? ついてたからとっただけだからね?」
「わ、わかってるよ……」
妹も年頃なんだから、もう少し自重してもらいたいものだが……
「ほらっ! 食べたでしょ? もう行くよ!」
「え? もう?」
◾️◆◇
その後は、何回もジェットコースターに乗ったりデザートを食べ歩きしたりすげえ楽しんだ。
「ねえねえお兄ちゃん! 最後に観覧車乗っていきましょ!」
「ふふふ。楽しそうだな。いいぞ」
「べ、別に楽しいとかないし? その…… ま、まあお兄ちゃんが楽しそうだから合わせてあげてるだけだし?」
「そうか。まあ俺が楽しいのは本当だ。ありがとな」
「ま、まあ…… 私もちょっとだけ楽しいかなぁって……」
そんなこんなで観覧車に乗った。
◾️◆◇
「うわぁ🤩〜! きれい〜!」
「おっほぉ〜! こりゃあすげぇ!」
俺たちが今日楽しんだ場所が全部観えた。お化け屋敷。ジェットコースター。タコス売り場。今日の思い出を空から観た感じだ。
「あ、あの…… お、お兄ちゃん? きょ、今日は…… 楽しかった。その…… ありがと」
「ん? 俺もだよ。ありがとう」
晴美が素直になってくれたとはな。俺もびっくりだよ。
「そ、その…… お兄ちゃん? わ、私…… お兄ちゃんのこと。す、好きじゃなくないから……」
「へ? どういう意味だ?」
「そ、その…… 私はお兄ちゃんのこと。好きだから❤️……」
そうか。いつもツンデレな晴美。でもその本心は……
「俺も晴美が大好きだぞ😘」
俺もそのまま本心を伝えた。
観覧車はそのまま俺たちを乗せて降りていった。
◾️◆◇
「ふぅ〜 疲れたな〜 今日は帰ってゆっくりしようか?」
「そ、そうね……」
(キスくらいできたらよかったんだけど…… 兄妹だし…… まあいいや。また別の機会にアタックしてやるんだから❣️)
また晴美の顔が赤くなってる。なんでだろ?
「お兄ちゃん………」
晴美が振り向いて言った。
「私…… 好きな人できちゃったかも……」
「へ?」
【あとがき】
今回4話で完結させてもらう作品を書かせていただきました。今応援して下さってる皆様、本当にありがとうございます。あと2話更新頑張っていきますので、ぜひ評価やレビューを書いて下さるとありがたいです。
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