たとえば可愛い妹と好きな幼馴染みにアプローチされたら………

GOD9999

第1話 幼なじみと妹からデートのお誘いもらいました!

「将人! なんで逃げるのよ〜!」


「ちょ…… お前はくっつきすぎなんだよ!」


「言ってるでしょ? 私はあなたが好きなの〜! もっとイチャイチャしましょうよ〜! 最後にはエッチまでね❤️」


「お、お前はどこまで妄想広げてんだよ💢!」


こんな毎日が続いてもう2年だ。ここは中学校ってことわかってんのか?


「へへ〜ん。ま〜た赤羽と相沢のやつイチャイチャしてやんの!」


「ヒューヒュー! 羨ましいぜ!」


くっそ〜 お前ら勝手に言いやがって。俺がどれだけ困っていることか……


「優花! ストップ! スト〜ップだ!」


「何よ? 私とキスしてくれるの?」


「んなわけねえだろ💢! もう疲れたんだよ!」


この毎日がどれだけ重荷になっていることか。


「いいか? 俺は2年前。お前に告った。だがお前は振っただろ? あれは俺にとってショックだったんだよ! わかるか? それからお前は俺にいろいろしてきやがって。どういうつもりだ?」


そう。2年前の話……


◾️◆◇


「優花! そ、その…… 俺と。俺と付き合ってくれないか?」


俺は小学生の頃から恋心を抱いていた相沢優花についに告白した。


「え〜⁉︎ 私⁉︎ え、え〜っと……」


俺はこうして優花と話している毎日がとても楽しかった。そして何より可愛い優花のことが大好きだった。そう。この告白に俺は人生を懸けていると言っても過言ではない!


「そ、その…… ご、ごめんね🙏 私あなたとは付き合えない……」


「え⁉︎ な、なんで……」


この時の衝撃はある意味世界が終わったと思ってしまった。地獄に突き落とされた気分だ。


「その…… ごめん🙏」


優花は走っていってしまった。


「優花………」


その晩は多分泣いたんだろう。その次の日も泣いたかもしれない。とにかくショックが大きすぎた。何考えてんのかわからなかった。


「はは…… 俺何やってんだよ。勝手に告って勝手に振られて勝手に泣いて…… 俺は勝手な男だなぁ……」


自分を恨んだ。もっとチャンスはあったはずだ。それなのに……


「くっそ〜 これから優花とどうやって話せばいいんだよ〜」


そんなことを考えていた次の日……


◾️◆◇


「ほ〜ら! 将人❣️ 私の手作り弁当よ!」


「は⁉︎」


学校に来るといきなり話しかけてきたのは…… 優花だった。


「そ、その…… 俺いらないよ……」


俺は避けていった。


次の日も……


「ま〜さと! 一緒に帰ろ❤️!」


「いや…… 今日はちょっと……」


また次の日も……


「将人! 遊びに行こうよ〜!」


「いや…… ちょっと用事あるから……」


俺は避け続けた。多分悲しみを紛らわしていたのだろう。なのに……


◾️◆◇


「いいか? 俺はあれがショックだったんだ。わかるか?」


忘れたとは言わせない。もう俺に関わらないでほしい。


「………わかったわ」


ようやく優花も納得したか? これまで長い日々だった。もう俺の青春は終わりを告げただろうなぁ。


「ああ。だから……」


「日曜日! 私としなさい!」


「は⁉︎」


なんて言わなかったよな? こいつは今の話を聞いてたのか?


「い、いや…… だから……」


「強制! 絶対よ? あなたも男なんだか腹くくって私とデートしてね❤️」


「いやだと言ったら?」


気づいたら優花はもういなかった。


「あ、あのやろ💢〜」


◾️◆◇


「ただいま〜」


俺の幸福のひとときが家での生活だ。まあ妹がいるのだが……


「お〜い! いるのか晴美〜!」


「いるわよ! いちいち聞かないで!」


「す、すまん……」


毎日怒られてばかりだ。これがもう予想を超えるツンデレで…… この前ご飯を作った時だって


「ま、まあまあ美味しいわね。お、お兄ちゃんにしては。まあまあだけどね? でも仕方ないから食べてあげるわよ」


「はは…… そりゃあどうも」


なんてやりとりがあったくらいだ。そこがまた可愛いんだがなぁ。


「はぁ〜 もう今日はほんとに…… また優花に嫌われたかなぁ」


実際優花の好意はとても嬉しい。でも1度は振られたんだ。メリハリはつけないとな。


「お、お兄ちゃん? 元気ないけどどうしたの?」


「ん? あ、ああ……」


珍しく晴美が話しかけてくれる。いよいよ俺は夢を見てるのか?


「ちょっとな……」


「そ、その…… 私今ちょうど暇だし…… 退屈してるし? そのなんか…… 話とか? 聞いてあげてもいいかなぁって?」


「ほ、ほんとか🤩?」


「じ、時間潰しよ? べ、別にお兄ちゃんに何かあったってどうでもいいんだからね?」


まったく素直になれないやつだなぁ。優花とは大違いだな。


「それがよ。今日学校で…………」


その後は長々と1時間くらい喋っていたのかもしれない。とにかく聞いてくれる人がいるのはどれだけ嬉しかったことか…… 俺は夢中になって喋っていた。


「それで…… お兄ちゃんはその人とデート行くの?」


「ま、まあ誘われた以上な……」


なぜか晴美が難しい顔をしている。そしてふと立ち上がった。


「晴美? どこ行くんだ?」


何やら探し物をしているらしい。


「あった〜!」


「?」


すると晴美は1枚の紙を差し出してきた。


「これ。遊園地のチケットなんだけど…… その…… 友達が行けなくなって。だ、誰か一緒に行く人いないかなぁって。で、まあお兄ちゃんがどうしても。どうしてもって言うなら行ってもいいかなって。その…… ちょっと可哀想だし…… べ、別に私が行きたいわけじゃないのよ?」


「…………」


晴美と遊園地か…… そういやあしばらく出かけてなかったな。デートの前の気晴らしにでも行くか。


「よし! 土曜日に行こう!」


「ほんと?」


晴美が笑顔でこっちを見てくる。


「なんだ? 楽しみなのか?」


「べ、別にそんなわけないでしょ? だ、誰がお兄ちゃんとなんか…… もう私寝てくるから!」


晴美は走っていってしまった。


「素直になれないのは兄妹そろってか……」


◾️◆◇


晴美はベッドの上で転げまわっていた。


「やった〜 お兄ちゃんとデート❤️ こんなに嬉しいことはないわ!」


普段は恥ずかしくて言えないけど…… 私はお兄ちゃんのことだ〜いすきなんだから!


「幼馴染み? 優花? 誰だか知らないけど、絶対にお兄ちゃんは渡さないわよ!」

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