第21話 転移者保護法


「まあでも悪いことばかりじゃないぞ。この国の神様はそんな感じであるが、国のサポートは充実しているぞ。なにしろ転移者保護法なんてものまであるからな。」

俺が沈黙したのを見て、ヤークは元気づけようとしてくれたようだ。


「転移者保護法ですか?」


「ああ。この国では転移者の激減を受け、転移者を保護する法律が5年前に成立している。詳しくは役場かギルドで聞いてほしいが、転移者と申し出れば、いろいろと便宜を図ってくれるはずだ。」


転移者保護法か。転移者は絶滅危惧種みたいな扱いだな。まあ、特典があるなら文句はないが。


ヤークに聞いたところ役場は時間的に既に閉まっているから、ギルドにいくのが良いだろうという事になり、ギルドの場所を教えてもらう。


「色々と教えていただきありがとうございました。

俺はショウといいます。また教えてもらう事があるかもしれません。その際はよろしくお願いします。」


「ああもちろんだ。聞きたい事があればいつでも言ってくれ。俺の名前はヤークだ。こちらこそよろしくな。」


俺は親切な門番ヤークに礼を言い、握手を交わした後、ギルドに向かう。


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